ヴィヴァルディ <チェロソナタ集>



穏やかな日曜日。外はまだ肌寒いが陽射したっぷりの室内は小春日和。野暮用外出から戻ってひと息つき、渋茶をすすりつつ、こんな盤を取り出した。


201703_Vivaldi_Vc_Gendron.jpg


モーリス・ジャンドロン(1920-1990)の弾くヴィヴァルディのチェロソナタ集。1967年録音。手持ちの盤は1978年に出た国内盤。十年程前、例によって出張先の大阪梅田の中古手コード店で見つけて買い求めた。通奏低音をマリケ・スミト・シビンガ(ハープシコード)とハンク・ランク(チェロ)という奏者が受け持っている。収録曲は1740年にパリでセット出版された以下の6曲が収められている。

 第1番変ロ長調 RV47/第2番ヘ長調 RV41/第3番イ短調 RV43
 第4番変ロ長調 RV45/第5番ホ短調 RV40/第6番変ロ長調 RV46

チェロソナタというとベートーヴェン他古典期以降の作品がまず思い浮かぶ。バッハは有名な無伴奏作品を残しているが、ソナタは書いていない。ソナタとしてよくチェロで演奏されるのはヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタだ。バロック期を通して、チェロのためのソナタは古典期以降から現代までのチェロの位置付けからすると予想以上に少ない。そんな中、このヴィヴァルディのセットは当時まだ通奏低音担当楽器の役割が強かったチェロにスポット当てた作品として現在でもチェロ弾きに愛好されているようだ。本盤のライナーノーツによれば、ヴィヴァルディは6曲をセットとして書き、調性的にも考慮されているとのこと。形式としては、緩・急・緩・急の教会ソナタ形式を採っているが、いくつかの曲ではアルマンドやクーラントという舞曲名が指定されていて、バロック期組曲形式の室内ソナタの様相もみせる。

さてジャンドロンのヴィヴァルディ。穏やかな音色と過激にならない弾きっぷりで、陽気なイタリアン・バロックのイメージのヴィヴァルディが落ち着いた宮廷音楽に聴こえてくる。当時、楽器指定のない通奏低音パートにはハープシコードに加え、ガンバ族やリュート族が主流だったろうが、この盤ではソロと同じチェロが使われている。もちろん通奏低音側のチェロは控え目な音量と弾きぶりだが、ハープシコードだけの通奏低音に比べ音楽は厚みを増して2本のチェロが絡み合いながら進み、その間をハープシコードのリアライゼーションされた通奏低音が響くというもので、さながらトリオソナタを聴いているかのように感じる。とりわけマリケ・スミト・シビンガによるリアライゼーションが雄弁で、独奏チェロ以上に聴き惚れてしまう。

実はこのセットの中から第1番変ロ長調を近々チェロ相方が弾く予定で、その通奏低音に相方知人のチェロと共にぼくもギターで参加することになっている。昨年のちょうど今頃にも同じ企画(第5番ホ短調)があったのだが、ぼくの都合でドタキャンし迷惑をかけてしまった経緯がある。今回は予定通り実現見込み。通奏低音の素養もないので、リアライゼーションされた出版譜(レナード・ローズ版他)を参考に、和音もコードネームで付して対応予定だが、さてどんな首尾になるか…。


ジャンドロンによるこの盤全6曲音源。たっぷりとしたボウイングとヴィブラートは、今となっては懐かしい響きだ。


第1番変ロ長調。ピリオドアプローチのチェロ、オルガンによる通奏低音。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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