グールド&ストコフスキーの<皇帝>



週半ば、そして三月も半ばの水曜日。四月以降、新年度業務の計画もあきらかになり、ボチボチその準備を開始。来年度はもう少し余裕をもってやりたいところだが、どうなることか。…と、そんなことを考えつつ、戦い済んで日が暮れて、8時少し前に帰宅。ひと息ついてアンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


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グールド(1932-1982)の弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調<皇帝>。1966年5月、ストコフスキー指揮のアメリカ交響楽団との協演。当時グールド34歳、ストコフスキー84歳。グールドはベートーヴェンのピアノ協奏曲を全曲録音しているが、ストコフスキーとはこの5番のみ。他はバーンスタインやゴルシュマンと合わせている。手持ちのLPはまだCBSがソニーの軍門に下る前、1966年の国内盤で発売元は日本コロンビアになっている。

<皇帝>というサブタイトル通り、この曲は堂々と恰幅よく演奏されるのが常だ。しかしグールドのアプローチはまったく異なり、何ともリリカルで繊細にこの曲を扱う。出だしからテンポを少々遅めに取り、ピアノに与えられたフレーズをともかく丁寧なタッチでいつくしむように弾いている。第2楽章のアダージョ・ウン・ポコ・モッソはもちろんだが、ロンドの第3楽章でさえ、ときに神秘的な静寂が支配する。テクニカルな面でまったく不安のないグールドだから速いパッセージも華麗に弾ききるのだが、力ずくのところがない。つまりフォルテシモさえも抒情的に扱っている。そして抒情的ではあるが主情的に弾き散らかしているわけでなく、音楽の骨格は古典的な様式感の上にしっかり乗っていて安定している。この演奏は<皇帝』>という自信に満ちて堅固なイメージでなく、若き日の憧れに満ちた第5協奏曲だ。


グールドが1970年に地元トロントのオーケストラと協演した第5協奏曲。指揮はチェコの名匠カレル・アンチェル。アンチェルはチェコ事件を契機に米国へ亡命し、その後1969年に小澤征司の後任としてトロント響の指揮者となった。(1908-1973)


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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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