ジョージ・セル&クリーヴランド管 ブラームス 二重協奏曲
のりかかった船だ、三夜続けてセルを聴こう。
今夜はセル&クリーヴランドの伴奏でオイストラフがヴァイオリンを弾き、ロストロポーヴィッチがチェロを弾いているブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」(ドッペルコンチェルト)を選んだ。この盤がカラヤン&ベルリンフィルによるベートーヴェンの三重協奏曲を共にリリースされたときは、その豪華な顔ぶれで評判になった。ベートーヴェンでは、オイストラフをロストロポーヴィッチに加えてリヒテルがピアノを受け持っている。


さて、ブラームスのドッペルだ。
この曲は出だしから指揮者とオケの技量そして気合が試される。付点つきリズムのトゥッティが2小節あったあと、いかにもブラームス的な三連符のトゥッティが2小節続く。ここで曲の印象がかなり決まってしまうほどだ。セルの多くの盤を出しているCBSソニーの盤に比べ、このVictor録音のセル&クリーヴランド管の音は、筋肉質のしまった響きはそのままだが、より重量感があって聴き応え十分だ。短いしかし渾身のオケの序奏に続いて、ロストロポーヴィッチのチェロが出てくる。これまた圧倒的な存在感だ。続くオイストラフのソロも太く逞しい音だ。オーケストラ、2つのソロ楽器、それをコントロールするセル、いずれもがブラームスはこうあってほしいというイメージをことごとく理想的に展開してくれる。重厚なオケの響き、一つ一つに重心がたっぷりのった、それでいてぴたりと合ったアインザッツ、弦と管の渋い音響バランス…曲の素晴らしさもあって、後期ロマン派の中にあって古典的装いを表出させたブラームスの交響的作品を理想的に表現した名演だ。
回顧的になるつもりはないが、いまこうした演奏が出来る組み合わせはあるのだろうか。もっとシャープで流麗かつ明瞭で…そんな演奏はいくらでも実現しそうだが、この盤のようなジャケット写真からして重厚な音がイメージ出来るような組み合わせは存在しなように思うがどうだろう。貴重な記録。先日の記事ではないが、最後の残すべき100枚のアルバムに間違いなく入れたい盤の一つだ。
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