本日55歳以上限定 初代クールビューティー 西田佐知子


本日も事情あって、二日分まとめって更新。昨日分の記事と合わせてご覧下さい。

さて…
このところ毎朝の通勤車中はもっぱらラジオだ。大概は954KHzTBSラジオを選局して7時から8時台にオンエアの「森本毅朗スタンバイ」を聴いているのだが、最近7時半過ぎから1134KHzの文化放送に切り替えることが多い。この時間帯、吉田照美がDJを務めていて、彼が紹介する落語や昭和歌謡などが中々面白い。今週は昭和の歌姫と称し、懐かしい昭和の女性歌手を特集している。今朝ダイヤルを合わせると西田佐知子の登場だった。手元にリサイクル店の処分コーナーから100円で救済してきた彼女のアルバムがあったので久々に聴いてみることにした。


西田佐知子のヒット曲集LP   60年代後半はミススカート全盛期


西田佐知子といって即座にイメージがわくのは50代以上だろう。代表的なヒット曲の「コーヒー・ルンバ」や「アカシヤの雨がやむとき」をリアルタイムでとなると、もう少し上の世代しか体験がないかもしれない。ベネズエラの作曲家ホセ・マンソ・ペローニが1958年に作ったコーヒー・ルンバは、日本では西田佐知子でヒットし、その後もザ・ピーナツや井上陽水、荻野目洋子ら多くの歌手がカヴァーした。YouTubeで原題のMoliendoCafeを検索すると実に多くの演奏が出てきて、今でも世界中で愛されている曲だとわかる。しかし西田佐知子の歌いっぷりはワン・アンド・オンリーの貴重なものだ。当時、歌伴を付けるラテンやジャズのビッグバンドもあったはずだが、西田盤の伴奏はシンプル極まりない。パーカッションのクラヴェスなど最初から最後まで判を押したように教科書的なルンバのリズムを刻んでいる。コードの扱いもシンプルそのものだ。どう聴いてもノリがいいとか、ラテンテイスト満点といった感じからは程遠い。一言で言えば寂しく哀愁に満ちたコーヒー・ルンバに仕上がっている。これはもちろん意図的な編曲に違いない。もっと豪勢なラテンアレンジも可能であったはずだ。しかし西田佐知子の個性を生かして地味~なルンバにしたのだろう。

そんな日本的アレンジのコーヒー・ルンバではあるが、それゆえに歌詞の物語性がよく伝わってくるし、エキゾチックな光景が浮かんでくる。南の国の情熱のアロマ~、素敵な飲み物コーヒーモカマタリ~、コンガマラカス楽しいルンバのリズム~…物語性のある歌詞そして西田佐知子のクールながらハイトーンまでよく伸びた声。1番、2番と歌い進めるうちの、その地味なアレンジとクールな歌いっぷりが次第迫ってきてグッときてしまう。「アカシヤの雨がやむとき」や「東京ブルース」も歌詞の意味深長さとメジャー・キーの妙な明るさとのパラドックスが何ともいい。トランペットで開始する印象的な曲をあげよという問題が出たらぼくは、マーラーの交響曲第5番、ベルリオーズのハンガリー行進曲と共に「アカシアの雨がやむとき」とあげるだろう。

今朝の吉田照美は、日本歌姫のクールビューティーの系譜は、西田佐知子で始まり、いしだあゆみ、中島みゆきにつながるという持論を唱えていた。60年代後半、テレビで観た西田佐知子は「きれいなおねえさん」というイメージで、その後関口宏と結婚したときは、子供ながらにこんちくしょうと思ったものだ。最近とんと姿を見ないが、どんな風に歳をとったか、少々興味がある。

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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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