カラヤン&ベルリンフィルのブラームス第1



5月になった。連休のさなかだが、ぼくはきょうあすと暦通りの出勤。きょうもいつも通り業務に精励。7時ちょうどに帰宅した。ひと息ついて…実は先日来のブラームス第1交響曲の流れ断ち切れず、今夜もまたまた同曲を。きのうのベーム&ベルリンフィル盤の記事で引き合いに出したこの盤を取り出した。


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カラヤンとベルリンフィルによるブラームスの第1番。おそらくぼくら世代のクラシックファンの多くが、好むと好まざるとに関わらずこの盤に接したことだろう。カラヤンはブラームスの交響曲を好み、得意にしていたようで、彼の盤歴の初期から度々録音を重ねている。1963年録音のこの盤は60年代初頭に行われた一連のステレオ録音の一つで、カラヤン&ベルリンフィルの黄金期ともいうべき時期のものだ。この時期のベルリンフィルには、まだフルトヴェングラー時代のメンバーが多く残っていた。カラヤンは颯爽として新時代の解釈で曲を進めるが、その音色には戦前からの往時の雰囲気が色濃く残っている。

このレコードを買ったのは高校3年のときだ。それまでジャスト1000円の廉価盤しか買ったことがなかったぼくが初めて買ったレギュラープライスの盤だった。帰宅してターンテーブルにセットして針を落とし、第1楽章の序奏が始まって驚いた。これまで聴いたことのない低音がスピーカーから流れてきたのだ。コントラバスとチェロによる連続C音のどっしりとした低音を初めて耳にし、自分の貧弱なステレオ装置からもこんな音が出るのかと驚いたのだ。まだ古き時代の音を残したカラヤン&ベルリンフィル、幾多の名録音を生み出したベルリン・イエスキリスト教会、カラヤンの耳を持つ男と言われた録音技師;ギュンター・ヘルマンス、この黄金トリオともいうべき組み合わせによるこの時期の一連の録音はいずれも素晴らしい。

第1楽章の序奏はこれ以上ないくらいに安定した重厚な音に満ちている。主部に入ってからも深いアインザッツとほの暗い音色がブラームスに相応しい。第2楽章の寄せては返すような濃厚な曲の運び、第3楽章でもリズムが不用意に軽くならず、その上を名手ローター・コッホと思われるオーボエが渋い音色で歌う。終楽章の充実感も申し分ない。金管群の強奏も派手さはなく、深く強く響く。カラヤンの細部の解釈や念の入れようには、いささか「ヌルい」感じもあるのだが、重量感あふれる音色と録音は絶賛したい。カラヤンの振ったブラームス第1の手持ちの盤として、この盤に先立つフィルハーモニア管との録音(1952年)、70年代の再録盤(1977年)やウィーンフィルとのデッカ録音(1959年)も手元にあるが、この60年代の録音には格別のものがある。


1963年録音のこの盤の音源。


秋山和慶指揮洗足学園音楽大学管弦楽団による演奏。


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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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