ショスタコーヴィッチ交響曲第9番変ホ長調



連休最終日。当地は朝から黄砂飛来。ベールを被った空は、好天ながらレンズの絞りを二段階ほど絞ったような明るさで、ちょっと不思議な雰囲気だった。連休はこれといったこともなく終了。あすから社会復帰だ。休みの間、時間はたっぷりあったのにろくろく音楽も聴かず、楽器も弾かずに過ごす。かつてのように、新しい音盤や楽譜を手に入れては飽かずに楽しむということもなくなってしまった。そんなところに加齢を実感する。 と言いながらも、いつになく音盤棚を仔細に点検。ほとんど手をつけていない音盤のいくつかを落穂ひろい。この盤もその一つで、この休み中に何枚か聴いた。


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ショスタコーヴィッチの交響曲全集。ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送交響楽団(WDR交響楽団)による演奏。90年代半ばを中心にセッション録音され、十数年前に激安ボックスセットの雄:ブリリアントクラシックスからリリースされた。少々値段は上がったようだが現在も入手可能だ。

ルドルフ・バルシャイ(1924-2010)というと、ぼくら世代にはもっぱらモスクワ室内管弦楽団を振った録音で馴染み深い。あるいはそれ以外の活躍をほとんど知らなかったと言ったほうがいいかもしれない。この全集をみたとき、バルシャイが…と思ったのもそんなかつてのイメージがあるからだ。しかし実際にはショスタコーヴィッチと親交があり第14番を初演したり、また1976年に亡命後は各国のオケを振っているから、決して室内オケだけの指揮者だったわけではない。ショスタコーヴィッチの交響曲全集を録音してもまったく不思議はないわけだ。

今夜は全15曲11枚組の中から、第9番を取り出して聴いている。いわゆる戦争三部作の一つであるこの第9番を最初に知ったのは、やはり学生時代の70年代半ば。指揮者もオケも忘れてしまったが、FMでエアチェックした演奏を聴き、その洒脱な曲想を面白おかしく感じた記憶がある。特に第1楽章のピッコロによるテーマは印象的で、その後現在に至るまで、時々鼻歌で出てきてしまいそうになる。何故か昭和世代の漫才コンビ:てんわわんやのネタ「ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ、アヒルじゃがぁがぁ」とシンクロしてしまうのはぼくだけか(^^;
この第9番は5楽章からなるが、第4楽章は3楽章と5楽章のブリッジのような存在で、全曲も25~30分ほどの演奏時間。ショスタコーヴィッチの交響曲の中では第1番あたりと並んで小規模な方だ。曲想は先に記した第1楽章ピッコロのテーマのみならず、全編洒脱かつ滑稽なフレーズにあふれている。「第二次世界大戦勝利記念の曲としては、ふざけているにもほどがある」と、当時の政府から批判されたのもわかる気がする。しかしやはり20世紀最高の交響曲作曲家としての面目躍如で、管弦楽の面白さという観点から、実に楽しめる曲の一つだろう。

バルシャイ&WDR響の演奏は他の曲も含め、ショスタコーヴィッチの交響曲でときに聴かれる過激な表現や異常なほどのディナーミクなどとは無縁で、きわめて整然として中庸だ。録音も秀逸で、あまたあるショスタコーヴィッチの交響曲録音の中にあって、リファレンスとして立派に通用する演奏だと感じる。


この盤の音源。「ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ…」は44秒、2分01秒と現れる。他のパートにも受け継がれ、この楽章全体を支配するモチーフの一つ。


彦根市の市民オケによる演奏。初めに指揮者による解説があり、演奏は12分過ぎから。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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