M・ポンセ ソナタ集


七月になった。今年も半分終了。なんだか実感ないけど…
朝から降ったりやんだりの週末土曜日。これといって用事もなかったが、何かしようと腰を上げる気にもなれずに終日ダラダラと過ごす。夜半を過ぎ、このまま一日終わるのもなあと思い、アンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


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アンドレス・セゴヴィア(1893-1987)が弾くマヌエル・ポンセ(1882-1948)のソナタ集。80年代終わりに当時のワーナー・パイオニアから出たセゴヴィア・コレクション全17巻の中の1枚。収録曲は以下の通り。

1. ソナタ・メヒカーナ 全4楽章 (1967年録音)
2. ソナタ・クラシカ(フェルナンド・ソル讃) 全4楽章 (1967年録音)
3. ソナタ・ロマンティカ(フランツ・シューベルト讃) 全4楽章 (1964年録音)
4. ソナタ第3番 全3楽章 (1955年録音モノラル)
5. 「ソナタ・メヒカーナ」~アレグロ (別テイク1958年録音モノラル)

ギターにしか興味ない人、ギター音楽しか聴かない人にとってはそれほど不思議はないのかもしれないが、他のクラシカルな楽器の世界からみるとギターの世界は少々奇異なことがある。その一つがソナタという古典的様式を持った楽曲が取り上げられることが他のジャンルに比べて少ないことだ。例えばピアノの世界であれば、バイエルを終えてブルクミュラーに手をつける頃には、同時にソナチネ集も与えられる。そしてその後はハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどの古典期のソナタが必須課題なる。そういう段階を踏みながら機能和声と楽曲の様式感、音楽表現を会得することになる。 ところがクラシックギターの場合、ひと昔のメソッドだとカルカッシ教則本をざっと通し、その後はカルリやソル、ジュリアーニ等のエチュードのいくつかやると、いきなり近代のヴィラ・ロボスやタレガに飛んだりする。ソナタ形式を学ぶ機会がない場合すらある。ソル、ジュリアーニの他、ウィーン古典派のディアベリ、マティエカ他にも古典期ソナタはもちろんあるが、その数は他の楽器に比して多くはない。多くはないが、ソナタ形式を習得する題材として事欠くということもないだろう。にもかかわらず、プロアマ問わず多くのギター弾きは(教える側も含め)、これらを積極的に取り上げようとしない。

そんな中にあって近代に位置するマヌエル・ポンセのソナタは貴重だ。この盤にはポンセの代表的なソナタが三つ納められていて、3ないしは4楽章形式の古典的様式にのっとりながら、近代的な和声感をもった充実したソナタが楽しめる。曲名や副題の通り、ポンセの故郷であるメキシコの民族的な主題を元にしたり、古典期やロマン派期の作風を模しながら、その中に近代作曲家らしいポンセの巧みな構成やフレーズ、和声が盛り込まれている。中でもソナタ第3番は他の2曲のように副題がなく、ポンセ自身のイメージがもっとも明確に出ている曲だろうか。ラテン系らしいフレンドリーなメロディーながら、明るい太陽のラテンからは遠い。どこかほの暗く、抒情に満ちている。第2楽章<シャンソン>は憂いと哀愁を湛え、とりわけ美しい。


ソナタ第3番の全楽章。ユロス・ベイリックというギタリスト。いい演奏だと思いますね。


ソナタ第3番の第2楽章<シャンソン>を弾くセゴヴィア


この盤の音源で<ソナタ・メヒカーナ>


マルティン・ディラの弾く<ソナタ・ロマンティカ>(シューベルト讃)



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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