カラヤンの<指環>抜粋盤



午前中、肌寒いかなと思っていたら一転。昼前後から一気に気温上昇し、久々の真夏日となった。
きのう同様、きょうも所在無く過ごす。夕方近くなって、夏の夕べのトワイライト音盤タイム。先日の記事の続きで、こんな盤を取り出した。


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ワグナー<ニーベルングの指環>の抜粋盤。カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニーによる演奏。手持ちの盤は数年前に2枚組廉価盤で発売されたときのもので、1967~69年にかけて録音された<指環>四部作全曲盤から代表的な場面を集めて150分程にまとめられている。ワグネリアン諸氏からは、こんな抜粋盤でお茶を濁してブログ記事を書くなどもってのほか…と大ひんしゅくを買いそうだが、その点についてはまったくその通り。ひたすら頭を下げるしかない。

クラシック音楽を聴き出し、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスと時代を下りながら次第に大規模な曲、複雑な構成や和声の曲に興味が進むというのは、まあ順当な音盤愛好家のたどる道だ。その行き着く先、あるいは途中の分岐点で、ブルックナー派、マーラー派、ワグナー派、あるいはフランス近代派と分派するのも典型的な様相だ。ぼくも似たような道をたどったが、生来の与太郎気質ゆえか、どれかに徹底することなく、ちゃらんぽらんの道楽人生となった。ワグナーに関しては、学生時代にまず序曲・前奏曲といった管弦楽集に親しみ、その後楽劇全体にも興味をもつに至って、NHKFMで放送されるバイロイトのライヴ音源をせっせとカセットテープに録音した。しかし、いかんせん言葉の壁を前に登山口にたどり着いた程度で終わり、あとは山の大きさを仰ぎ見るだけとなって今に至っている。そんなわけで、いくつかの全曲盤を手元に置くようになった今も、結局は二十歳の頃のレベルから抜け出せず、この盤のような抜粋盤で聴いた気になっているわけだ。しかし、抜粋盤に取り上げられる箇所はさずがによく出来ていて、ぼくのような素人でも飽きることなく聴き通せるし、さらには、抜粋でこんなに素晴らしいのだから全曲はさぞや…と更なる探求への足がかりにもなる。

このカラヤン&BPOのダイジェストも中々よく出来ていて、四部作の聴きどころがコンパクトに収録されている。ちょっとワグナー気分…というときにはうってつけだ。特に<ワルキューレ>と<神々の黄昏>からの抜粋はいずれも昔から単独でも取り上げられることの多い<ヴォータンの別れ><魔の炎の音楽><ジークフリートの死と葬送行進曲><ブリュンヒルデの自己犠牲>といった場面が収められており、1時間で指環をという、なんちゃってワグネリアンに手頃な定食メニューになっている。
カラヤン&BPOによるワグナーの全曲録音は昔から賛否あるのだが、こうして聴くとさすがの出来栄え。ベルリンフィルの重厚かつやや暗めの音色と充実した歌手陣の堂々とした歌いっぷり、そして60年代DGの低重心な録音バランス等、非の打ち所がない。手元にある全曲盤としては、ベームのバイロイトライヴ1961年とショルティ&VPOのデッカ録音、ギュンター・ノイホルト指揮のカールスルーエ歌劇場でのライヴ盤があるが、ワグナーらしい物理的音響という点ではカラヤン&BPOが最もマッチしているように感じる。ベームのバイロイト盤はややデッドで乾いた音だし、ショルティ盤はデッカの録音ポリシーもあって、やや音色が明る過ぎるように感じる。ぼくはこれからまた指環の全曲盤をさらに増やすつもりはないが、もしこれからという輩は、カラヤン&BPOも有力候補かと思う。


カラヤン&BPOによる<ワルキューレ>の抜粋。ワルキューレの騎行は6分25分から。12分40秒からヴォータン(トーマス・ステュアート)の歌う<さらば、勇みある輝かしき子よ>(ヴォータンの別れ)続く<魔の炎の音楽>と佳境となる。


先日の記事で取り上げたクナッパーツブッシュ&VPOによる<ヴォータンの別れ>と<魔の炎の音楽>。この演奏の前には、カラヤンもショルティも顔色を失う。


テンシュテットとロンドンフィルによる1988年来日公演から<ジークフリートの死と葬送行進曲>。 5分50秒、誰か居眠りでもしていたのか、テンシュテットが靴を踏み鳴らし喝を入れる。渾身の力で応えるロンドンフィル。カラヤンが自らの後継者をして考えていただけのことはある素晴らしい演奏だ。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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