小原安正(G)
知人から問い合わせのメール有り。
「与太さん、小原安正のレコード持ってる?友だちのギター弾きが探していて…」
「あぁ、一枚だけあるかな。」




…で、音盤棚から取り出したのが、この盤。
何でもその知人の友人がその昔、60年代終わりから70年代初頭に広まっていた通信教育の「東京音楽アカデミー」でギターを習得し、そのときの教材音源として付いてきたレコードで聴いた小原安正の演奏が印象の残っているとのこと。残念ながらその友人が持っていたレコードは処分してしまい手元にない。どこかで手に入らないものだろうか…といういきさつだ。
東京音楽アカデミーによる通信教育のギター講座は、ぼくら世代には懐かしいアイテム。高校時代の当時、ぼく自身は加入しなかったが、同じ部活の友人が入っていて、その教材や楽譜を時折拝借して眺めていた記憶がある。小原安正のこの盤は、その教材の一つとして配布されたものと思う。あの頃から30年近く経った2000年初頭に、近所のリサイクルショップのジャンク箱で見つけて捕獲してきた。
小原安正(1914-1990)は戦後のクラシックギター界を牽引してきた一人。ぼくがギターを弾き始めた70年代には、この東京音楽アカデミー他、現代ギター誌の記事でも見かけたが、演奏に触れたことはなかった。あらためて、この盤を聴いていみると、やはりひと昔前、ふた昔前の感がある。この盤に収録されているのは初級から中級入り口レベルの小品。教材用ということもあって、教育的意図を明確にするような解釈もあるのだろうが、現代の感覚で純粋にギター音楽を楽しもうというには、いささか物足りないのはやむを得ない。それでも、マドリード王立音楽院で学んだタッチは、最近はあまり省みられないアポヤンド主体のしっかりとしたタッチで、ギターの音が明快に立ち上がる。武井守成の「森の精」、ケイロス「母の涙」、サビオ「なつかしのわが道」など、クラシックギターを弾き始めた当時にさらった曲もあり、実に懐かしく聴いた。 小原安正のレコードをもう一度聴きたいという、知人の友人の願いにミートするかどうか分からないが、近々その友人の元へ嫁ぐ予定だ。
この盤の音源。ワルカー<小さなロマンス>
ラモー<二つのメヌエット>
小原安正を父にもつ小原聖子の貴重な音源。1980年前後のものと思われる。小原聖子もマドリード王立音楽院に学んだ。曲の解釈は賛否あるだろうが、レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ直伝の正統派タッチは実に明快。音も美しく(使用楽器はおそらくエルナンデス・イ・アグアド)、技巧のキレも十分だ。
★★追伸★★
ブログランキングポイントは下降傾向。引き続き、下記のバナークリック<一日一打>のほど、お願いいたします。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■

にほんブログ村
- 関連記事