ローラ・ボベスコのモーツァルト



週明け月曜日。関東地方は先週梅雨明けしたが、皮肉なもので、梅雨明けした途端ここ数日ぐずついた日が続いている。きょうは気温ほどほどながら高湿度で蒸し暑い一日だった。 さて七月も下旬。本日も律儀に仕事をし、定時少し前に退勤。あすはちょっとした野暮用で仕事を休む予定につき、今夜は夜更かしOK。ひと息ついて、こんな盤を取り出した。


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ローラ・ボベスコ(1921-2003)の弾くモーツァルトのヴァイオリンソナタ他の2枚組。1981年来日時に新座市民会館でセッション録音されたもの。ピアノはボベスコと若い頃から組んでいるジャック・ジャンティ。手持ちの盤は10年ほど前に出たタワーレコードの企画盤<ヴィンテージコレクション>の一枚。収録曲は以下の通り。

ベートーヴェン:
ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調「春」
ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」
モーツァルト:
ヴァイオリン・ソナタ第34(27)番変ロ長調K.378
ヴァイオリン・ソナタ第40(33)番変ロ長調K.454
ヴァイオリン・ソナタ第28(21)番ホ短調K.304

1921年生まれ(生年は諸説あり)のボベスコは2003年に亡くなるまで長いキャリアを持ち、きっとぼくらより少し上のオールドファンに馴染みが深いだろう。名声に比して来日は遅く1980年。熱心なファンによる個人招聘で初来日して一気に人気沸騰。以来8回に渡って来日を重ねた。かつてはブロンドの美貌ヴァイオリニストとしても知られ、この盤が録音された還暦を過ぎた頃の写真を見ても往時の美しさをうかがい知ることができる。

先ほどから絞り気味のボリュームでモーツァルトのソナタを聴いている。おそらくコンサートヴァイオリニストとしての彼女のピークは50年代から60年代ではないだろうか。その意味では、この盤はすでに往時のピークを過ぎた頃の録音ではあるが、却ってそのことが奏功し、決して騒がず、控えめな音量で楚々とした弾きぶりで、モーツァルトのこうしたソナタに相応しい。すべての音にヴィブラートがかかったような、そして音がしずくとなってこぼれ落ちそうな音色も他に類をみない。セッション録音ではあるが、何か親しい仲間うちでのサロンコンサートを聴く趣き。こうした特質はK.378の優美で成熟した曲想にぴたりだ。K.454第2楽章の美しさも極上。モーツァルトのヴァイオリンソナタ中唯一の短調作品K.304はやや速めのテンポをとり、感情過多になることなく弾き進められる。音色やボーイングはややオールドファッションでありながら、テンポ設定や抑揚は意外にもすっきりとした造詣で、全体として音楽の品格が高く、優美この上ない。


1958年ライヴ録音のK.304第1楽章。ピアノは本盤と同じジャック・ジャンティ。本盤より速いテンポ設定をとり、劇的な表現。


同第2楽章。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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