アナベル・モンテシノス(G)



昨年秋に拙宅へ遊びに来てくれた知人U氏が、「与太さん、これ聴いてみてよ。」とCDを貸してくれた。


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スペイン出身で現在オーストリー在住のアナベル・モンテシノス(1984-)のギター。2011年録音のナクソス盤。ナクソスはかねてより若手ギタリストの録音に積極的で、国際コンクールで優勝した奏者へのインセンティブという形でCDを製作し、新人実力派の発掘に尽力している。アナベル・モンテシノスは2002年タレガ国際コンクール、2010年ミケーレ・ピッタルーガ(アレキサンドリア)国際ギターコンクールで優勝、それを受けて最初のアルバムを2003年に、そして今回の録音と、共にナクソスからリリースしている。YOUTUBEでは以前から彼女の演奏に接していたが、きちんとCDで聴くのは今回初めて。二作目のこの盤の収録曲は以下の通り。

グラナドス~モンテシノス:詩的なワルツ集、ゴヤのマハ
ファリャ~ベーレント:代官の踊り
リョベート:クリスマスの夜、盗賊の歌、聖母の御子
ロドリーゴ:スペイン風の3つの小品(ファンダンゴ、パッサカリア、ザパテアード)
キローガ~トレパト:タトゥー、おおマリア、緑の瞳
ソル:魔笛の主題による変奏曲Op.9
プホール:トナディーリャ、タンゴ、グアヒーラ

王道のスペイン物が並ぶ選曲。中ではキローガの作品が少し珍しい。ソルを除きいずれもスペイン近代の作品ではあるが、曲想は19世紀ロマン派プラス20世紀のスパイス少々。唯一古典期作品のソルが少々違和感がないでもないが、古典の解釈も聴けるという意味では悪くない選曲だ。

国際コンクール優勝者らしい切れのいい技巧とブリリアントな音。スピーカで聴いていると、サイモン・マーティー製ギターの特性もあってか、ふと二重奏かと錯覚するほど響きが豊かだ。表現としてはかなりロマンティックで、テンポ・音色とも積極的に変化させている。古典期での作品でこれをやられると鼻に付くところだが、ことスペイン物をモダン楽器で弾くということであれば十分納得の解釈。技巧に難があると、そうした解釈が<ごまかし>に聴こえることもあるが、その点はさすがに不安はない。 スペイン物らしいキャッチーなメロディーとリズム、わずかに効いた近代的な和声のスパイス。高い技巧と豊かな響き。モダンクラシックギターの今を聴くには好適のアルバムだ。


この盤の冒頭に入っているグラナドスの詩的ワルツ。おそらくこの盤の録音セッションでの光景。


同。ファリャの三角帽子から<代官(市長>の踊り>。ジークフリート・ベーレントの版を使用。


ビジュアルも一級のラテン美女だ。


アナベル同様ミケーレ・ピッタルーガ優勝者で夫君のマルコ・タマヨと。
う~ん、仲良すぎるゾォ~!(^^;



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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