バッハ:チェンバロ協奏曲第1番ニ短調


前回の記事でバッハのドッペルの一つ、ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲を聴いたが、あの曲やもう一つのドッペル、二つのヴァイオリンのための協奏曲を聴くと、条件反射的にセットで聴きたくなる曲がある。


R0011670.jpg   bach_BWV1052.jpg


バッハのチェンバロ協奏曲第1番ニ短調。取り出したのは数年前、近所のリサイクルショップのジャンク箱から百円で捕獲してきたバッハのチェンバロ協奏曲集。70年代初頭にキングレコードから出ていた廉価盤シリーズの1枚。BWV1052/1062/1065の3曲が収録されている。中でも第1番ニ短調BWV1052はバッハが残したチェンバロ協奏曲の中でも傑作の誉れ高い名曲だ。

第1楽章冒頭、ユニゾンで奏されるシンコペーションを伴った主題で印象的に始まる。リトネロ形式で主題がソロと合奏とで次々に奏され、終始緊張感を失わない。どことなく2台ヴァイオリンのための協奏曲ニ短調を思わせる(バッハ自身の編曲でBWV1062として2台チェンバロのための協奏曲になっている)。第2楽章も印象的な弦楽のユニゾンで始まる。チェンバロのソロが入ってきてからも弦パートが奏する主題がオスティナートのようにバックに流れ続け、いかにもバッハ的な深みのある曲想だ。この盤ではオーストリアの鍵盤楽器奏者;アントン・ハイラーがソロをとり、ミルティアス・カリディス指揮のウィーン国立歌劇場管弦楽団がバックと務めている。少々レンジが狭いのか、硬めの音色ではあるがきちんとした録音で、ソロ・オーケストラとも古楽復興以前50~60年代のオーソドクスな演奏が楽しめる。


トレヴァー・ピノックとイングリッシュコンソートの演奏。現代のスタンダードか。


グリモーが弾くモダンピアノによる演奏。


のだめでも取り上げられていた。



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これ名曲ですね

こんにちは。
この曲はピノックが刷り込みです。
LPで擦り切れるほど聴いて、CDが出たら買って再度聴き倒して、
ボックスセットが出たらまた買ってまた聴きました。

グリモーの録音も面白いです。
ピアノが滅茶苦茶オンで、弦楽合奏がかすかにしか聞こえません。
意図的にそういうバランスにしているのでしょうが、とってもインタレスティングです。

この曲、もとはヴァイオリン協奏曲だったという説もあるんでよね。

Re: これ名曲ですね

木曽のあばら屋さん、こんばんは。お久しぶりです。
この曲は、シンコペーションを伴った冒頭のフレーズで一気に心をつかまれます。オリジナルについては諸説あるようですが、おそらく楽器を問わずきちんと音楽になると思います。素晴らしい曲です。
グリモーの演奏はまたまた目に付いたので貼りましたが、ライヴということもあって、おそらく録音条件は万全ではないのでしょうね。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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