ムラヴィンスキーのチャイコフスキー第4
関東地方は久しぶりの好天。きょうは野暮用あって仕事を休み、昼をはさんで外出。車の中ではエアコンを入れないと暑いほどだった。夕飯を済ませて一服。数日ぶりにアンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。


ムラヴィンスキーとレニングラードフィルによるチャイコフスキー第4番へ短調。同コンビが60年代初頭に演奏旅行で西側を訪れた際録音した後期交響曲3曲の中の一つ。この4番は1960年9月にロンドン:ウェンブリータウンホールで録られている。一連の録音については学生時代にFMエアチェックした音源で親しんだが、実際にレコードを手にしたのはずっとあとのこと。CD時代になってから写真のLP盤を中古で手に入れた。
冒頭ホルンの音色の暗さ、そしてそれを受けるようにして出てくるトランペットの直線的な響き。速めのテンポながら微妙にテンポを動かし、一つ一つの音にエネルギーをのせ、聴く側の感情を高ぶらせていく。鳥肌ものの展開部のアチェルランド、ピークでの金管群の強く重い音色。どこを取ってもチャイコフスキーの交響曲かくあるべしを具現化していく。第2楽章もゆっくりめのテンポで思いのたけを歌わせるというようなものではないのだが、冒頭オーボエのソロにあとに出るチェロの旋律など、さりげない歌い口にかえって万感の思いがこもる。第3楽章のピチカートは、このコンビだから、きっと例のグリンカの演奏のように猛烈なテンポで走り抜けるのではないかという予想を見事に裏切り、じっくりとニュアンス豊かに進む。そして迎える終楽章。ここでこのコンビのパッションが一気に爆発。冒頭のトゥッティから限界速度で疾走する。解像度の高いゼンハイザーのヘッドフォンHD800で聴き耳を立ててみたが、まったくもって完璧なアンサンブル。第1楽章冒頭の主題を回顧するトランペットのエネルギーに満ちた響きも圧倒的だ。そしてコーダ最後の壮絶な加速で大団円となる。
…と、ブログの記事も休止符を入れずに一気に書いてしまいたくなるような演奏。録音から半世紀以上たった今も、この盤の最右翼に置かれるだけのことはある名演だ。
終楽章。
★★追伸★★
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