有朋自遠方来 不亦楽


遠方というほどではないが、隣ち町に住むY氏がギターを担いで遊びに来てくれた。Y氏は高校・大学を通じて1年先輩でずっと一緒だった。ついでの言えば浪人時代の予備校まで一緒だ。高校時代からギターの名手で、当時からソルやジュリアーニの大きなソナタを弾いていた。とはいうもの学年が1年違っていることもあって、互いの家を行き来することもなく、また卒業後もほとんど会うことなく30年が過ぎた。ふとしてきっかけで少し前にmixi上で再会、このたびの運びとなった。


30年ぶりに再会したY氏と二重奏を楽しむ   ギターを弾くには、まず古典を聴くこと!


近々二重奏でもやろうかとメールで打合せをし、曲をフェルナンド・ソルのランクラージュマンに決めた。きょうは30年ぶりにギターを持って合わせてみた。練習らしい練習はしていないので、ほころびもあるのだが、何とかなりそうだ。他に、パガニーニのイ長調の協奏ソナタも初見で合わせたが、技術的にはさほど困難なところはない割には演奏映えする佳曲だった。きょうは二人ともモダンギターで合わせたが、次回は19世紀ギターでトライしようということになった。ぼくの水原ラコートも弾いてもらったが、今まで弾いた中で一番大きな音で鳴っているとの評だった。Y氏がきょう持参してギターは、1962年ウィーン製のグッケンベルガーという楽器。40年を経て音も枯れて、深い低音と分離のいいスッキリした高音が印象的ないい楽器だ。

Y氏は長らく吹奏楽の指導もしていたし、それ以前のギターでの蓄積も十分。初めて合わせても音楽的にどう弾くかということに関して、ほとんど何の打合せもせずに事が運ぶ。ぼくの方も古典的な解釈については、まあそれほど見当違いなことはしない程度には付いていける。Y氏とも話したのだ、クラシックギター弾きの、特にぼくら世代の中には基本的なテンポ感覚やごく基礎的な解釈の素養なく、ただギターが好き、ギター曲が好き、という切り口だけで音楽に望む輩も多い。結果、テンポはふらふら、優しいところでは速く、難しいところでは遅く、和声の緊張・解決、二つの音の関係性、そういったことに無頓着な演奏が多い。特別に楽典を学ばなくても、古典的な音楽、具体的にはバッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトといった音楽を聴いていれば、音楽の運びについてのごく基本的な感覚は自然と身につくものだ。それらを聴かずにギター曲だけを弾くところに原因があるように感じる。ソルも、タレガも、近代スペインも、まったく同じ感覚でギター曲として扱ってしまう。
写真に本2冊のうち、白い表紙の大島富士子著「正しい楽譜の読み方」はクラシックギター系の雑誌に連載されていたものをまとめた本だが、古典的な音楽の解釈、楽譜の読み方について、手際よくまとめられていて参考になる。また黒っぽい表紙の熊田為宏著「演奏のための楽曲分析法」は楽曲の解釈と演奏上の具体的表現方法について記されていてよい参考書だ。30数年前の本だが現在も版を重ねている。ただしこれらの本で「勉強する」ということではなく、多くの音楽に接したあとでこれらの本を読むと「まったくその通りだ」と納得する、その程度にはギター曲に限定せず多くの音楽を聴くことが大切だと思う。

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