楽譜2題 ガーシュイン作品集・中南米ギターの旅
先日ギター弾きの知り合いから、「与太さん、クラシックギターで弾けるポピュラー系の曲集で何か適当なもの知ってる?」との問い合わせがあった。ポピュラーねぇ…例の青本(江部賢一編「華麗なるギター・ソロ・アルバム第1集」日音楽譜出版社…絶版)くらいかな、知っているのは…とほとんどゼロ回答。実際、今更ながらお恥ずかしい限りだが、クラシックギターのオリジナルも含め、楽譜の関する情報に疎い。ポピュラー系の編曲楽譜は昨今選びきれないほどたくさん出ていると思うが、熱心にのぞいてみたこともないので様子が分からないのが実情だ。今更、ディズニーやジブリでもないだろうと知人に話したが、そういえばと、しばらく前に手にした曲集を思い出した。

写真の2冊。いずれも数年前に近所の書店片隅にある音楽書コーナーで見つけて手に入れたもの。「ギターソロのためのガーシュイン作品集」は、ガーシュインのミュージカルナンバーを中心に、スタンダードとして歌い継がれている曲を多彩な面々が編曲している。ガーシュインのギターソロというと有名なサマータイムばかりでは面白くないと思っていたが、これといって楽譜を探すこともしていなかったので、いいタイミングだった。サマータイムはもちろんだが、他にもジャズスタンダードとして有名になっている、アイ・ガット・リズムやバット・ノット・フォー・ミーなど14曲が収められている。
もう1冊「中南米ギター名曲の旅2」は、20年近く前に出た第1集の続編。編者の小林隆平は30年にわたりエクアドルで活躍しているギタリスト。第1集も数年前に手に入れたが、いくつか気に入った曲があった。中南米と銘打っているが、もっともポピュラーと思われるブラジルの曲は少なく、エクアドル、チリ、アルゼンチン、キューバ、ベネズエラなどから、より土俗的な選曲をしている。
クラシックギターの手法で書かれた楽譜を、しっかりそのまま弾いても、ポピュラー系に曲に必須の様式感(ノリですね)は中々得られない。プロのクラシックギター奏者でもポピュラーを弾くと途端にぎこちなくなることもしばしばだ。 ジャズギターの連中にクラシックギターの楽譜を見せると、こんなにたくさんオタマジャクシが書いてあって、これを全部弾くのか?と言われる。反対に、メロディーテーマとコード進行だけの楽譜でどうしてあんな風に弾けるのかと、クラシックギター弾きは思う。同じ六弦とはいえ、畑が違うとまったく手も足も出ないことが多い。ポピュラーをそれらしく弾くことに関しては、いわゆるアコギ系フィンガスタイルの弾き手の方が得意とするところだろう。
クラシックギターの手法で弾くとどうしてもぎこちなさが残るが、この動画のように、それがまたイイ感じになることもある。もっともこの動画の場合、弾き手のビジュアル要素も絶大だが…(^^;
今どきのアコギ弾きには、このくらいのことは不思議でないだろうが、半世紀前60年代半ばにこんなイタリアのお兄さんがいたとは…。、もっともタッピング他のいわゆる特殊奏法は歴史的には古くからあったといわれているようだ。
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