ムラヴィンスキー&レニングラードフィル 1973年東京ライヴ

暖かい日曜日。午後、携帯電話の買い替えのために近所のショッピングモールに出かけたが、大層な人出だった。大学や高校の受験もほぼ終わり、学生たちは春休みだ。そんな風情の家族連れで賑わっていた。帰宅するとテレビでは引き続き地震の惨状が報道されている。普通は日を追うごとに事態はよくなるのだが、今回ばかりはそうないかない。安穏と音楽を聴き、ブログの記事など書いている気分ではないのだが、あまり滅入っても仕方ないので今夜は久々にオーディオのスイッチを入れることにした。

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エフゲニー・ムラヴィンスキーと聴けば、中年以上の音楽ファンには、その威厳に満ちた風貌や手兵レニングラード・フィルとの名演の数々を思い浮かべるだろう。まさに東西冷戦時代を通じて20世紀の巨匠として君臨した指揮者の一人だ。今夜取り出した盤は1973年彼らが待望の初来日を果たした際のライヴ録音。1973年5月26日東京文化会館でも演奏でベートーヴェンの交響曲第4番とリャードフとグラズノフの小品2曲が収められている。同日に演奏されたショスタコーヴィッチの第5番も別の盤で出ている。

何といってもベートーヴェンの4番が素晴らしい。この演奏はベートーヴェンの時代の様式感とかウィーン古典派としての佳曲といった位置付けにはない。どこをとってもムラヴィンスキーとレニングラードフィルのベートーヴェンだ。全編通して極めて整ったアンサンブルが印象的で、ジャケット写真を見るとかなり大きな編成で演奏されたと思われるが、音だけ聴いているとそんな印象はない。各パートとも音程が正確で縦の線が揃っているために、オケの音が肥大化しない。まさに筋肉質の演奏だ。しかもエネルギーの集中はもの凄く、ここぞというときのフォルテやアクセントでは爆発的なパワーと発揮する。

長身で眼光鋭いムラヴィンスキーににらまれ、団員達もさぞ緊張していたに違いないが、この曲の随所に出てくる木管群の聴かせどころでも、いずれも切れ味のよい技巧をみせてくれる。弦楽群のアンサンブルも少々大げさな表現だが筆舌に尽くしがたい。速いパッセージを弾くコントラバスもビシッと揃っている。ムラヴィンスキー&レニングラードフィルの演奏はセッション録音でもチャイコフスキーの後期交響曲など素晴らしい盤を残しているが、やはりライヴにこそ真髄がある。内角胸元鋭くえぐるカミソリシュート。そんな感じのする今時聴けない演奏だ。

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殿堂入り頑張ってください!
and .......i d like to lose my weight.....:(

Re: タイトルなし

怪盗与太三世さん、こんばんは。

殿堂入りって、そんなものありませんよね。ジミ~にやっていきます。
また、のぞいてください。
ところで、三世ということは、どこかに二世がいるのでしょうか…(^^;
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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