北欧の思い出 <2003年夏>

日本人科学者ノーベル賞受賞のニュースが飛び込んできた。このところ毎年のように日本から受賞者が出ている。地道な研究が実り、評価されたことを喜びたい。さてノーベル賞といえば舞台はスウェーデンの首都ストックホルムだ。ぼくは2003年から2006年にかけて仕事で北欧を何度か訪れる機会があった。都合10回程度行っただろうか。仕事の出張なのでほとんど物見遊山の時間はないのだが、それでも半日オフの時間があったり、予定した仕事が終わらず、週末をはさんで居残りになったりということもときにはあって、そんなときは一人でホテル周辺をブラブラする程度の時間は持てた。幸いスウェーデンはほとんどの局面で、ホテルはもちろん、レストランやコンビニまで英語が通じる。スウェーデン語はもちろんちんぷんかんぷんだが、こちらの片言の英語でも相手が理解してくれるのは助かる。フランスやイタリアとは大違いだ。一番頻繁に滞在したのはストックホルムで、最初に訪問は、あの田中さんがノーベル賞を受賞した翌年の2003年6月だった。そのときの写真を少しだけアップしておこう.


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ストックホルムは北のベニスとも言われ、街を取り巻くように外海が入りくんでいる。また第二次大戦で中立国であったことも影響してか、戦火をまぬがれ、古い街並みが旧市街地として今も残っている。4枚目、7年前のぼく(今より10kgはやせているなあ)が写っている写真のバック、茶色の建物がノーベル賞授賞式が行われるストックホルム市庁舎だ。6月中旬だったと思うが、この時期ストックホルム辺りでは、夜11時近くまで明るい。社会活動はもう終わっている時間で、通りには人っ子一人いないのに街の光景も空も明るいという白昼夢のような場面に遭遇したのを思い出す。

ところで、北欧の作曲家といったら誰を思い出すだろうか。北欧の作曲家を5人あげよ、という問題が出たらどうだろうか。はい、先生!フィンランドのシベリウス!。はい、先生!ノルウェイのグリーグ!。…と、ここまでは中学校の音楽の教科書に出てくる。そのあとが出てこないのではあるまいか。少しクラシックを聴き込んだ人なら、デンマークのニールセンを上がるかもしれない。交響曲第4番『不滅』が有名だ。ここまでで先の問いには3人まで答えが出た。しかしそのあとはどうだろう。以外にも北欧の大国スウェーデンの作曲家の名前が出てこない。ここで、ステンハンマル、ベルワルド、アルベーンといった名前が出てきたら、かなりのクラシックオタクということになる。

NAXOS スウェーデン・バイオリン曲集

上の写真のNAXOSから出ているスウェーデンの作曲家によるバイオリン曲集だ。ステンハンマル、ベルワルドの曲が聴ける。いずれも初期から中期ロマン派の曲想をたたえた美しい曲ではあるのだが、せっかくいいモチーフを使いながら、それを構成力で展開させ、聴く者を引き込むほどの魅力には乏しい。グリーグやシベリウスに比して、スウェーデンの作曲家の名がメジャーにならないのもうなづける。



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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