ドヴォルザークのナンバー7
暖かな週末が終わり、あすはまた仕事という日曜の晩。濃い目の珈琲を淹れてリラックス。先日来の<セブン>つながりで、今夜はこんな盤を取り出した。

ドヴォルザークの交響曲第7番ニ短調作品70。ジョン・バルビローリ(1899-1970)と手兵ハレ管弦楽団との一連のステレオ録音中の一つ。1957年録音。手持ちの盤は70年代後半にテイチクから廉価盤で出たときのもので、ジャケット裏に記した日付をみると、大学卒業を間近に控えた1978年1月に買い求めている。収録曲は同曲の他に管楽セレナーデニ短調、伝説曲第4番と第7番。いかにもこの当時の廉価盤らしく(特にこのシリーズの…)LP盤としてはかなりの詰め込み編集だ。
ドヴォルザークの交響曲としては第9番「新世界から」、第8番の演奏機会が多いが、第7番や第6番なども劣らず素晴らしい曲だ。特に7番はドヴォルザークが敬愛したやまなかったブラームスの第3交響曲の影響が色濃く出ている。各所に現れるスラブ風のモチーフの扱いも渋く重厚で、表層的な民族的ロマンティシズムに留まっていない。この盤を手に入れた二十代前半、すでに9番も8番も少々食傷気味で、この7番の渋い響きにひかれていた記憶がある。
ドヴォルザークはイギリスで人気を得た。そのイギリスの20世紀を代表するコンビであるサー・ジョン・バルビローリ(父イタリア人・母フランス人で英国の血はゼロだが…)とハレ管弦楽団。チェリスト出身のバルビローリの少々粘着質な性格と解釈が奏功し、音の一つに一つにずっしりとした重みがのっている。テンポが遅めになった後年の演奏とは異なり、総じてきびきびとした運びで、曲の高揚に応じて熱気がみなぎり、一気に聴き入ってしまう。ハレ管弦楽団は少々荒削りなところがあり、また英国のマイナーレーベル:PYEのステレオ初期の録音ということあって、洗練された流麗な響きには程遠い録音だが、かえってそれが曲想に合っていて、中々に味わい深い。
この盤の音源で第1楽章。順次全楽章が再生される。
この録音は何度かCD復刻されているが、かつての廉価盤LPよりは高音質が期待できそうだ。
立教大学のオケによる第3楽章スケルツォ。地元池袋の東京芸術劇場にて。
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