バッハ カンタータ<汝の主なる神を愛すべし>BWV77
今夜はセブン・シリーズに戻って<バッハのセブン>を。といっても俗称<バッハのセブン>があるわけではない。勝手にBWV番号で選ぶにしても、7・77・777とあるしなあ…としばし思案。結局選んだのこの盤だ。

バッハ:カンタータ「汝の主なる神を愛すべし」BWV77。例によってブリリアント版全集中の1枚。他のカンタータ同様、ピーター・ヤン・レーシンク指揮ネーデルランド・バッハ・コレギウムによる演奏。この曲は1723年、バッハがライプツィヒ聖トーマス教会のトーマスカントルに就任した年に作られた。教会暦では三位一体節後第13主日(8月後半の日曜日)に演奏される。曲は以下の6曲から成る。
第1曲 コラール
第2曲 レシタティーヴォ(B)
第3曲 アリア(S)
第4曲 レシタティーヴォ(T)
第5曲 アリア(A)
第6曲 コラール

第1曲冒頭、弦楽合奏の短い導入を受け、素晴らしい合唱フーガが展開する。印象的なトランペットが吹く旋律は「十戒」のコラール(譜例)で、突き抜けるような高音に耳を奪われていると、通奏低音にも同じコラールが現れ、あたかも天と地から十戒のコラールに支配されているかのようだ。第3曲ソプラノのアリアでは2本のオーボエが寄り添うようにオブリガートを吹く。そして通奏低音のバスラインもそれに絡み美しいアリアが歌われる。第5曲はトランペットと通奏低音によって支えられて歌われるアルトのアリア。トランペットというと目立って派手なものというイメージがあるが、この曲では冒頭のコラールしかり、そしてこのアリアでのオブリガートしかり、短調の調性ということもあって、切々と胸に迫りくるトランペットで、グッとくるものがある。終曲のコラールも落ち着いた渋い響き。15分に満たない曲ではあるが、全曲を貫く、厳かかつ敬虔ながら、控えめに凝縮された響きが魅力的なカンタータだ。
この盤の音源。第5曲アルトの歌うアリアは9分21秒から。
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