ソルのナンバー7



寒暖を行きつ戻りつしながらの弥生三月。きのうきょうと寒。三週間後に桜満開というのが信じられないが、来週後半から一気に暖かくなるとの予報。どんな塩梅になるのだろうか。 さて、きょうも夜更けて音盤タイム。先日来のセブン・シリーズの続きで、こんなセブンを取り出した。


201803_Sor_Fantasia_7.jpg


フェルナンド・ソル(1778-1839)の第7幻想曲作品30。ジュリアン・ブリームによる1980年の録音。収録曲は幻想曲が2曲(作品30と作品7)と魔笛ヴァリエーション、それとディオニシオ・アグアド(1784-1849)の作品2-1,2,3の3曲が入っている。ソルの作品ではいくつかの変奏曲やソナタが代表作といわれるが、幻想曲第7番もそれらに勝るとも劣らない素晴らしい作品だ。

ソルの幻想曲は大部分が変奏曲部分を含んでいたと思うが、この第7幻想曲もその一つ。盟友アグアドに捧げたとされている。曲は正に古典の薫り高く、かつ初期ロマン派風の主情を併せ持つ。変奏の一つ一つが原曲をうまく生かしつつ充実した和声を展開し、味わい深い。ジュリアーニなどイタリア系の華麗な技巧お披露目的要素の強い変奏曲と比べるまでもない。 ブリームの演奏は古典的様式感や表現の枠を守りながらも、時々聴かせるタメやヴィブラートの効いた美音などは70年代から続くいつもながらの彼のスタイルを踏襲している。この録音から三十年余を経た今なら、より普遍的な古典スタイルの演奏もあるだろうが、当時はまだこの曲の録音自体が珍しかった。それでもこの曲の良さを伝えるに十分な演奏だ。


ソル 第7幻想曲の楽譜。スウェーデンのBoijeコレクションから。
http://boije.statensmusikverk.se/ebibliotek/boije/pdf/Boije%20502.pdf

ソルの多くの作品はこちらのリンクから。
http://www.guitareclassiquedelcamp.com/partitions/fernandosor.html


この盤の音源。ブリームの演奏。長めの序奏があって、2分過ぎから主題が奏される。


ホルヘ・ホルツマンというギタリストによる演奏。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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