ベートーヴェンのナンバー7



朝から野暮用外出。高速中心往復200キロ程のドライブ。Newゴルフ7は快調な走りと同時に燃費性能も20Km/L超えの素晴らしいパフォーマンスを発揮。単調なドライブに飽きることもなく、夕方前に帰宅した。 さて、夜更けの週末。今夜はカシオペアを離れて本業回帰?!。先週末まで続けていたセブン・シリーズの続きでこんな盤を取り出した。


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ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番ヘ長調作品59-1。昨年手に入れたゲヴァントハウス四重奏団による全集盤の中の1枚。手元にあるベートーヴェン弦四は、バリリSQのモノラル盤全集LP、ABQの中期作品、ラサールSQの後期作品がある。このゲヴァントハウス四重奏団の盤は、比較的新しい録音で何か全集盤リファレンスをと思い、手に入れたもの。

ベートーヴェンのナンバー7…と考えて最初に思いつくのは当然交響曲の第7番イ長調だろう。他にはピアノソナタの7番、弦四の7番、ヴァイオリンソナタの7番…と思い浮かべ、いわゆるベートーヴェンらしさと同時に多彩な表現を楽しめるのは第7交響曲よりむしろ弦四の7番からもしれないと思い当たった。もっともこの曲は弦楽四重奏第7番というよりは、ラズモフスキー第1番と呼ばれる方が多いかもしれない。中期弦楽四重奏を構成するラズモフスキーの3曲セットは規模・大胆な曲想等、前期作品の作品18の6曲と一線を画すといってよい傑作揃いだ。今夜取り出した第7番作品59-1も40分近くを要し、大作といってよい。

ヘ長調の明るい曲調で始まる第1楽章は周到に作られたソナタ形式。特に展開部では曲の勢いを増すだけの構成ではなく、フーガも導入されて各パートごとの対比や緊張感の表現が見事。この作品を含む<傑作の森>を実感させてくれる。さらにこの曲では第2楽章にスケルツォ、第3楽章にアダージョの緩徐楽章がおかれている。構成の上、第9交響曲の先取りのようでもあるし、曲想そのものも実に既知に富み飽きさせない。発表当時「冗談だろう」と言われたスケルツォの出だしのチェロのリズムがブルックナー第7のスケルツォを思わせるし、ヘ短調に転じる第3楽章の悲痛な歌では全楽章を通して活躍するチェロが一層雄弁に語る。 ゲヴァントハウス四重奏団のこの演奏は現代風のスッキリ系で、演出臭さも皆無。スコアを素直に再現している感があって好感がもてる。古いバリリSQの弾く第3楽章はどんな感じだっただろうか。いずれも聴き直してみようと思う。


若いメンバーによる全楽章。


タカーチSQによる第2楽章のアナリーゼと演奏。演奏は8分40秒過ぎから。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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