バルバラ・ポラシェック(G)
寒気流入で寒い日曜日となった。しまいかけたセーターを取り出す程。季節外れの雪に見舞われた地方も多いようだ。
さて、あすはまた仕事という晩。夜半過ぎの音盤タイムにこんな盤を取り出した。

チェコ生まれの女性ギタリスト;バルバラ・ポラシェックがバッハを弾いている盤。ライナーノーツには明記されていないが、60年代半の録音と思われる。収録曲は以下の通り。
・前奏曲 ニ短調 BWV999
・組曲第1番 ホ短調 BWV996
・フーガ イ短調 BWV1000
・シャコンヌ ニ短調 BWV1004
ポラシェックと聴いてピンとくるのは、ぼくら世代以上だろう。1941(or1939?)年生まれ。ギタリストの前に<女流>という枕詞が付く世代だ。70年代を中心には相応の活躍したようだが、録音は少ない。この盤は1980年代初頭にエラートからリリースされた「ギターの展望」というシリーズの中の1枚。当時このシリーズの貴重さに気付かず数枚を買っただけ。いま思えば全部手に入れておいてもよかったかなと思う。
久しぶりに聴いてみると、良くも悪くも一昔前の演奏という感が強い。しかし、何と太く柔らかい音色だろう。曲の運びも温和でゆったりとしている。スペインなまりもなく普遍的なバッハ像として十分通用する、いい演奏だ。今どきはもっと明瞭度の高い音色と技巧の切れ味を前面に出した流麗な演奏が主流だろう。これはギターに限らない。ヴァイオリンでもチェロでもピアノでも傾向としては同じだ。このポラシェックの演奏は一聴するとアピール度が低く聴こえるのだが、聴き進めていくうちに、それが味わいに変わる。滋味あふれる演奏という言葉は、まさのこんな演奏のためにあるのだろう。1941年生まれの彼女についてはネットに幾ばくかの情報があった。また残念ながらこの盤はCD化されていない。
ポラシェックの弾くリュート組曲第3番BWV995(原曲は無伴奏チェロ組曲第5番BWV1011)の音源があったので貼っておこう。
動画に映っているレーベル面に@1965の文字がみえる。おそらく取り上げた盤と同時期に録られたものだろう。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■

にほんブログ村
- 関連記事
-
- <ギターの展望>完全復刻! (2018/04/10)
- ベート・ダベザック(G) (2018/04/09)
- バルバラ・ポラシェック(G) (2018/04/08)
- テデスコの二重奏曲 (2018/04/03)
- アランフェス協奏曲のギター二重奏版 (2018/04/01)