サヴァリッシュ&SKD シューマン交響曲第1番「春」
一昨日からの陽気で、当地北関東の桜も一気に花開き、県南部では五部咲きといったところだろうか。いまPCに向かっている部屋の温度も20℃あって、ちょうど心地よい。陽気に誘われて少し春の気分の音楽を聴こうかと、久々に「春」と題されたシューマンの交響曲第1番を取り出した。手元には、フルトヴェングラー、コンビチュニー、クーベリックなどの盤があるが、今夜はシューマンの交響曲を語るときに必ずといってよいほど引き合いに出されるサヴァリッシュとドレスデン国立管弦楽団(シュターツ・カペレ・ドレスデン;SKD)の盤を選んだ。


サヴァリッシュと言えば、ぼくら世代には70~80年代のN響の顔といってよいほどの指揮者だ。実際、テレビを通じて日本人の最も親しまれた指揮者の一人だろう。しかしその人気の割りに当時録音ではあまり評判を得ず、当時1972年録音のこのSKDとのシューマン全集だけが光る存在だった。
実際この演奏は素晴らしい。まずSKDの音色がぴかいちだ。印象的なホルンとトランペットの動機で始まる第1楽章。冒頭からうっそうとしたドイツの森を思わせる渋い音色と深いアインザッツにひきつけられる。数々の名録音の場となったドレスデン・ルカ教会の豊かな残響、そこに広がる弦楽の響き、時折遠くから伝え響く木管群。この音色からして万事ドイツ風だし、シューマンの曲想に相応しい。ゆったりと深い序奏が終わると、一転快速調の主部に入る。この変わり目のギアチェンジも実に巧みで身体がその加速度に吸い込まれるようだ。
作曲者のシューマン自身が「春のたそがれ」と呼んだ第2楽章の豊かな歌、ニ短調に転じて深い慟哭おも感じさせる第3楽章スケルツォ、そして弦・木管・金管それらが一体となった響きで躍動的に進む終楽章。SKDのよくブレンドされた音色がまさこの曲に相応しい。春がもつロマンティックなイメージと生き生きとした芽吹きを感じる名曲、そしてサヴァリッシュとSKDによる不朽の名演だ。
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