バッハ BWV997
週明け月曜日。事情あって少し早めの帰宅。きのうに続いてギターを取り出し、ちょいと練習。昨今は「弾ける確認」をモットーに技巧的に無理のない曲を初見で通すのを楽しんでいたが、きょうは「弾けない確認」でバッハの組曲を少しさらい、ことのついでにこんな盤を取り出した。


数年前に手に入れた例のジュリアン・ブリームのボックスセットからバッハの組曲2つが収録されている盤を取り出した。ギターやリュートの愛好家の間では、昔からリュート組曲という言い方をしていた組曲が4つある。この盤ではそのうち1番BWV996と2番BWV997が収録されている。1966年ブリーム33歳のときの録音。
今でこそバッハの組曲を全曲取り上げることはごく普通のことだし、その演奏スタイルも歴史的研究の成果が反映され、普遍的な器楽曲として通用するようになってきた。しかし、60年代はまだそうした取り上げられ方は珍しかった。セゴヴィアもしかりだが、バッハの様々な曲を断片的に取り上げることが一般的だった。そんな中、60年代半ばにブリームが組曲として通して取り上げ、録音に残した功績は大きかった。これ以降、イエペスやジョン・ウィリアムスも4つの組曲をまとめて取り上げるようになり、録音も残すことになる。
あらためて現代の視点でこのブリームの演奏を聴くと、やはりひと時代前のものだなあというのが正直な感想だ。いずれも闊達かつ美しい音で弾いているが、バッハを聴いているというより、ギターを聴いているという意識が強くなる。所々に出てくるギター的な表現、独自の音色やアーティキュレーションのせいだろう。それを悪いとは思わないし、一時代を成したという点においてこの演奏の価値は十分評価されると思うが、今日的にはもっと普遍的なバッハ演奏が可能だろう。
以前の記事にも貼ったヨハネス・モンノの演奏。BWV997からプレリュードとフーガを弾いている。ややロマンティック寄りながら普遍的な表現、よくコントロールされ抑制の効いた弾きぶり、音楽に感じ入った表情…実に素晴らしい。BWV997のオリジナルはハ短調だがギターでは多くの場合イ短調を取る。
<プレリュード>
<フーガ>
リコーダー、チェロ、チェンバロによる演奏。
フルートソロでもしばしば演奏される。藤井香織とフィリップ・モル。<プレリュード>
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