メンデルスゾーン:協奏的変奏曲作品17
関東地方梅雨入り。気温低め。落ち着いた水無月の晩。雨夜の品定めにこんな盤を取り出した。


メンデルスゾーンのチェロとピアノための協奏的変奏曲作品17。手持ちの盤は激安ボックスセットの創始ブリリアントクラシクスのメンデルスゾーン室内楽全集10枚組中の1枚。メンデルスゾーンが書いたチェロ作品、ソナタ2曲、無言歌、そしてこの協奏的変奏曲が収録されている。チェロはクロード・シュターク、ピアノはクリストファ・エッシャンバッハ。1985年録音。原盤はスイス・クラヴェス・レーベル。
メンデルスゾーンの室内楽は、もっとも有名なピアノトリオをはじめ、清廉な美しさに満ちた名曲ばかりだ。チェロのための作品もしかり。ソナタもいいが、以前チェロ相方とも取り組んだ無言歌作品109他の小品も味わ深い。協奏的変奏曲はチェロ弾きにはお馴染みの曲だろうが、一般のクラシックファンにはそれほど知名度は高くない。ぼくもこのセットを手に入れて初めて接した。
曲名の通り、ピアノとチェロとに対等の役割が与えられ、全体としてまとまりのある作品になっている。曲は主題と8つの変奏からなる。チェロのオブリガートを伴ったピアノによる穏やかで美しいテーマの提示に始まり、変奏を重ねながら、音楽全体として中盤から終盤に向かって熱気を帯びていく。チェロがピチカートをで奏でる変奏あたりからチェロとピアノが激しく対峙してピークを迎える。決して大きな曲ではなく、10分ほどの小品といっていい規模だが、一つの音楽としての起承転結が整えられている。最後に穏やかな主題が戻ってくるくだりは感動的ですらある。
ハンガリーのイシュトヴァン・ヴァルダイというチェリストの演奏。彼は神尾真由子が優勝した2007年のチャイコフスキーコンクールでチェロ部門第3位となっている。
<伝説の>という接頭語がつくロシアのチェリスト:ヤコフ・スロボトキンの演奏。スロボトキンはドヴォルザークの協奏曲ロシア初演者。
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