ジョゼッペ・アネダのマンドリン



梅雨明けを思わせる週明け月曜日。当地の日中の気温は35℃近くまで上昇した。しばらく忘れていたあの灼熱の日々がもうすぐやってくる。来るならさっさと来て、さっさと去ってほしいところだが、まだ6月。いささか気が早いッスかね(^^ さて、前回の記事で触れたマンドリンで思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


201806_Aneda.jpg  201806_Aneda_Mandolin.jpg


イタリアのマンドリン奏者ジュゼッペ・アネダ(1912-1997)によるイタリアンバロック後期の協奏曲集。手持ちの盤は1977年リリースのエラートレーベル国内盤。クラウディオ・シモーネ指揮イ・ソリスティ・ヴェネティがバックを付けている。録音時期は記されていないが、おそらく70年代初頭のものと思われる。収録曲は以下の通り。

 ジョヴァンニ・バティスタ・ペルゴレージ/マンドリン協奏曲変ロ長調。
 カルロ・チェチェーレ/マンドリン協奏曲イ長調
 ジュゼッペ・ジュリアーノ/マンドリン協奏曲変ロ長調

ぼくがクラシックギターを始めた70年代初頭は、多くの高校や大学でマンドリンアンサンブルが盛んだった。ギターだけのサークルがない学校では、ギター弾きは否応無しにマンドリン系のサークルに入るのが一般的だった。そんな状況もあって、ぼくもギターを弾く傍らマンドリン音楽にも触れ、少々首を突っ込むことなった。楽器も少し触ったので、今でも初級の曲なら見よう見まねで少しは弾ける。ジュゼッペ・アネダはそんなぼくの高校時代、1971年に来日。NHKの「世界の音楽」(立川澄人&鳥飼久美子!)か、教育TVのテレビ・リサイタルだかに出演した。ちょっと渋いイタリアの伊達男という風情で、スタイリッシュにマンドリンの技巧的な曲を弾いていた姿をはっきり覚えている。

バロックから古典期、そして20世紀初頭と、マンドリンは何度か隆盛期を経験した。特にバロック後期から古典初期には多くのクラシカルな曲も書かれ、よき市井の楽器として広まった。この盤で取り上げられている曲の中には、マンドリンオリジナルでないものも含まれているようだが、もとよりヴァイオリンと同じ調弦で、ヴァイオリン曲をマンドリンで弾いて楽しむことも日常的な成されていただろう。この盤で取り上げられている3曲は、ペルゴレージ以外はほとんど知られていない作曲家のものだが、いずれもバロック後期から前古典様式のしっかりした構成とイタリア生まれらしい明るく豊かな和声に彩られ、ソプラノ楽器としてのマンドリンのチャーミングな音色を楽しめる。


アネダの演奏。G・B・ジェルバシオ(1725-1785伊)のソナタニ長調。


この盤の音源。カルロ・チェチェーレの協奏曲イ長調第1楽章。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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