バッハ フルート作品集
異例の早さで関東地方梅雨明け。そしていきなり猛暑日! これから三か月思いやられるなあ…
さて、今週も程々に働き、産業立国日本の発展に貢献。仕事のキリもよかったので少し早く帰宅した。ひと息ついて、ぼちぼち日付が変わる時刻。今夜で最終回となる、4月から始まった<孤独のグルメSeason7>の録画もスタンバイ。水出し緑茶で清々とした気分を味わいつつ、こんな盤を取り出した。

例のブリリアント版バッハ全集のフルート作品が入っている盤。ステファン・プレストンのトラベルソとトレヴァー・ピノックのチェンバロ。伴奏部が通奏低音による曲ではジョルディ・サヴァールのガンバが加わる。1975年録音。以下のバッハのフルート作品8曲がCD2枚に収録されている。
フルートとチェンバロのためのソナタ BWV1030-1032
フルートと通奏低音のためのソナタ BWV1033-1035
2本のフルートと通奏低音のためのトリオ・ソナタ BWV1039
無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013
曲のタイトルでも分かる通り、BWV1030~1032の3曲はチェンバロパートが記譜されたもので、BWV1033~1035は通奏低音で記譜され、実際はそのリアライゼーションによって演奏される(この盤ではチェンバロとガンバ)。バッハのフルート作品の中ではBWV1030ロ短調のソナタがもっともよく知られ、また傑作でもあるが、今夜はBWV1034ホ短調のトラックを選んだ。
第1楽章 アダージョ・ノン・タント
第2楽章 アレグロ
第3楽章 アンダンテ
第4楽章 アレグロ
セオリー通り、ゆっくり、はやい、ゆっくり、はやいの4楽章構成。トラヴェルソの演奏ということもあって(加えて通奏低音がチェロではなく、ガンバということもあって)、冒頭のアダージョから落ち着いた渋めの響き。2楽章のアレグロになって、トラヴェルソの技巧的なフレーズやそれに絡む通奏低音も闊達に響き、ようやく音楽は活気付く。3楽章は温かみのある穏やかな旋律が長調と短調と行き来する。終楽章は再びソロの技巧の見せ所。ガンバによる通奏低音も負けずに活躍し、バッハらしい精緻なポリフォニックな響きが続く。
モダンフルートによる演奏ならずっと明るく華やかな響きになるところだが、やはりトラヴェルソの響きはぐっと渋く、趣き深い。ピッチや、音域の高い方低い方のコントロールは中々大変そうというのが聴いていても分かる。しかし柔らかいアタックと独特の音色は現代にはない響きで魅力的だ。1975年の録音ながらアナログ最盛期らしく美しい音で録られていて、廉価盤ボックスというエクスキューズは不要のよい演奏だ。
BWV1034この盤の音源(前半二つの楽章)。ステファン・プリンストンのトラヴェルソ、ピノックのハープシコード。
BWV1034はギターへのアレンジもある。
BWV1035。ギター伴奏による演奏。
ギターによるBWV1013のアルマンド。これまでも何度か貼っているホルヘ・カヴァレロのギター。楽器はMET所蔵の1940年製ハウザー1世。
■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■

にほんブログ村
- 関連記事