オスカー・ピーターソン・トリオ <The Trio>



ちょいと野暮用あって仕事は休み。昼前には用事を終え、半日夏休みモード。午睡に落ちつつ、こんな盤を取り出してリラックスとなった。


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あまりに有名なオスカー・ピーターソントリオの名盤。オスカー・ピーターソンのピアノ、レイ・ブラウンのベース、エド・シグベンのドラムス。オスカー・ピーターソン・トリオ全盛期1960~61年。シカゴのクラブ:ロンドンハウスでのライヴ。収録曲は以下の通り。

 1. 恋したことはない/2. ウィー・スモール・アワーズ/3. シカゴ/4. 夜に生きる
 5. サムタイムズ・アイム・ハッピー/6. ウィスパー・ノット/7. ビリー・ボーイ

この盤のように、コンサートライヴではなく、客の交わすグラスの触れ合う音がバックに聴こえるクラブでのライヴ演奏は、いかにもジャズのライヴらしく雰囲気満点だ。録音条件を整える難しさもあるのだろうが、この盤に関してはよく録れている。特にレイ・ブラウンのベースは量感たっぷりに響き、音楽をしっかし支えている。一方、エド・シグベンのドラムスは決して叩き過ぎず、雰囲気を壊すことはない。演奏はまさに<トリオ>で、三人が対等にぞれぞれの仕事はしっかりこなしている。もちろんメインはオスカー・ピーターソンのピアノということになるが、ライヴだからといってノリだけでエネルギッシュに弾くというところがなく、テクニックやインプロビゼーションのアイデアも余裕を持ちながらも、よく整った音楽を奏でている。

スウィンギーな<恋したことはない>や<サムタイムズ・アイム・ハッピー><ビリー・ボーイ>は、ドライブ感あふれるプレイながら、軽さも失わなず、かつ熱気の程々によくコントロールされている。いかにも、クラブでのライヴに相応しい。<ウィー・スモール・アワーズ>や<夜に生きる>のバラードプレイでは、レイ・ブラウンのベースが終始音楽を下支えして、安っぽいカクテルピアノになることはない。

ピアノトリオはジャスの基本形、原点のようなものだが、昨今はやや地味な印象からか、すぐに吹き物やヴォーカルが入る。それはそれで楽しいのだが、こうしてよく出来たピアノトリオを聴くと、クラシックで言えば完成された弦楽四重奏を聴くようで、リラックスしながらも、どこか衿を正したくなる。


この盤のオープニング<恋したことはない>


この盤の<ウィスパー・ノット>。 多くのプレイヤーが取り上げるスタンダード名曲。



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the の意味

定冠詞がつくくらいのトリオですから、もう言うことなし。
ベース・ドラムの音を聴きながら自分のピアノを構築していくのに
何の迷いも曇りもない。ワン・アンド・オンリーのピアニストですよね。
後継者があまり見当たらないのもそのせいかも。演奏中の声も一つの味
かなあ~。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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