ベームのシューベルト第5交響曲



先日来のカール・ベーム:ボックスセットの検分。今夜はこの盤を取り出した。


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ベーム&ベルリンフィルのシューベルト第5番変ロ長調。1966年ベルリン:イエス・キリスト教会での録音。このコンビで完成したシューベルト交響曲全集中の1枚。この演奏は初出LP盤も手元にあって以前から親しんでいたもの。

第5番はシューベルトの交響曲の中では、もっとも好きな曲の一つだ。未完成よりずっと好ましく感じる。シューベルト19歳のときの作。シンプルな構成、セオリー通りの古典的展開とロマン派的な多彩な和声感。変ロ長調の調性は明るくも落ち着いたトーンを奏でる。第1楽章の出だしから沸き立つような魅力的な主題と安定したソナタ形式の進行にゆったりとひたれる。第2楽章はいかにもシューベルトらしい歌に満ちている。第3楽章メヌエットは短調に転じ、一聴してモーツァルトの40番のメヌエットを思わせる。中間部レントラー風のトリオはとりわけ美しい。終楽章はハイドンを思わせる快速調。ソナタ形式をとっていて、中間部や展開部では短調に転じて緊張感を高める。

ベーム&BPOの演奏は終始安定した響きと曲の運び。チェロ・バスの低弦群がしっかり曲を支えているのが、絞り気味のボリュームでもよく分かる。かなり鈍重な演奏だったかなと思いつつ針を降ろしたが、そんなことはなかった。きっちりとした楷書の味わい。やや暗めのトーンが60年代のBPOだ。


この盤の音源。


ベーム晩年1977年のライヴ。オケはバイエルン放響。冒頭短い導入句があってすぐに第1楽章の主題がスタート。1分11秒に第2主題が出る。提示部の繰り返しはなく2分7秒から展開部。3分5秒から再現部へ。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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