グルダ:イタリア協奏曲~グルダ・リサイタル



週末土曜日。梅雨前線の影響を受けながらも、まずまずの天気。昼過ぎから所属しているマンドリンアンサンブルの練習に隣り町まで車を走らせ、夕方までひとしきり楽器遊びに興じる。さて夜半を過ぎて、深夜のヘッドフォンリスニング。ふと思い出して、こんな盤を取り出した。


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フリードリッヒ・グルダ(1930-2000)が亡くなったのは2000年1月27日。その日、通勤帰りのラジオのニュースで訃報に接した。特別の思い入れがあったピアニストではないが、ベートーヴェンのピアノソナタ全集を彼の盤で聴いていたことで、やはり思い出深い奏者だ。この盤は1965年に録音されたもので、「グルダ・リサイタル」の副題が示すように、バラエティに富んだプログラムで構成され、あたかも一夜のリサイタルを楽しむ趣きがある。レコードだとモーツァルトまでがA面に入っているので、そこまで聴いたらちょっと休憩を取り、そのあとまたB面を聴くと正にコンサートの気分だ。手持ちの盤は80年代に出た国内廉価盤。原盤アマデオ。収録曲は以下の通り。

 1.J.S.バッハ/イタリア協奏曲ヘ長調
 2.モーツァルト・/ピアノ・ソナタ第15番ハ長調
 3.シューベルト/2つのスケルツォ第1番変ロ長調
 4.シューベルト/2つのスケルツォ第2番変ニ長調
 5.ショパン/アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調

冒頭のバッハ:イタリア協奏曲はゆったりしたテンポで、ピアノをたっぷり鳴らして曲が進む。解釈は極めて実直で、尖ったところや首をかしげる箇所はない。モダンピアノによる安定したバッハを楽しめる。A面の聴き物はモーツァルトで、ここではグルダの面目躍如、多彩な装飾音や自由なフレーズを織り込んで曲を進める。もちろん手馴れたもので何の不自然さもない。
B面になるロマン派の曲想に合わせて少し情緒的な面が耳を引くようになるが、シューベルトではそれも控え目だ。そしてプログラムの最後を飾るショパンではスケール大きくかつたっぷりとしたタッチで、正に華麗なるショパンを聴かせてくれる。静と動のコントラスト、フルコードの強靭なタッチなどグランドスタイルのショパンとして申し分のない演奏だ。


グルダによるイタリア協奏曲の音源


ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。ポロネーズは4分33秒から。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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