アンセルメ&OSR<シェエラザード>
きのうからの雨が上がったが、気温は低く肌寒い。夜更けのこの時間ということもあって、音楽で少々暖を取りたい気分になり、こんな盤を取り出した

リムスキー・コルサコフ( 1844-1908)の交響組曲<シェエラザード>。エルネスト・アンセルメ(1883-1969)指揮スイスロマンド管弦楽団のDECCA盤。1960年録音。手持ちの盤は1963年の国内初出盤と思われるもので、ボロディンのダッタン人の踊りと合唱がカップリングされている。例によって10年程前、頻繁に大阪出張が続いていた頃、梅田阪急東通りの端っこにある名曲堂の60年代盤コーナーで手に入れた。アンセルメはこの曲を得意にしていたらしく、SP時代から計4回録音している。この1960年録音はその最後のもの。スイスロマンドとDECCAに入れた多くのステレオ盤に中でも名盤の誉れが高い。例のボックスセットもあるが、今夜はこのLPを聴く。
このコンビの演奏になると、どうしてもその録音の素晴らしさに話がいく。50年代半ばからセッションを重ねたアンセルメとOSRのDECCAステレオ録音は、まずその鮮烈な音質と広がりのあるステレオプレゼンスに驚く。1960年録音のこの盤は、すでにDECCAサウンドが完成された時期のもので、半世紀前のプレスの盤にも関わらず、素晴らしい音質が広がる。
この曲は特別に思い入れのある曲ではないし、こうして聴くのも随分久しぶりだ。しかし、聴き出すと40分超えの全4楽章を一気に聴いてしまう。4つの楽章の主題がいずれも印象的だし、さらのそれらの主題が色彩豊かな管弦楽で目の前いっぱいに広がる。アンセルメ&OSRの演奏はDECCAマジックと称されるその録音技術にも支えられこの曲に相応しい演奏を展開する。後年このコンビが来日して実演に接した日本の好事家連中からは、レコードで聴き親しんだ音と実演との落差に失望の声が多く上がったというが、録音マジックだけでこれほどの演奏が出来るはずもない。冒頭そして終楽章で繰り返される金管群が奏する主題の鮮烈かつ重量感あふれる音、木管群の華麗な吹きぶり、いずれもめざましい。ノスタルジックでエキゾチックで…秋の夜長に相応しい。
この盤(LP)の音源。第1~3楽章。
同CD音源。全楽章。
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