群馬交響楽団のベートーヴェン -続々-



ことのついでに群馬交響楽団のベートーヴェンを続ける。当夜で三回目。取り出したのは、引き続きこの盤。今から二十余年前の1995年。創立50周年を迎えた群馬交響楽団によるベートーヴェン交響曲の全曲演奏会が浜離宮朝日ホールと群馬県下の各ホールで行われ、そのときのライヴ録音として限定配布されたもの。一般店頭には並ばなかったが、ぼくは同団の演奏会場で販売しているときに手に入れた。指揮は1993年に同団の音楽監督に就いた高関健。


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群馬音楽センター


先々回からの記事に貼ったYOUTUBE音源で群馬交響楽団の演奏を聴いた方はどんな感想をもっただろうか。立派なベートーヴェン、予想以上の健闘…といった回答を勝手に期待するのだが、どうだろう。ぼくも初めてこのCDを聴いたときには驚いた。これがかつて聴いた同じオケかと。70年代までの同団は「地方オーケストラの草分け」以上でも以下でもないというのが正直なところだった。演奏は技術的なキズも多く、定期演奏会での入りも悪かった。それがひと皮むけたのが80年代の豊田耕児音楽監督就任。そして90年代の高関健の時代となってもう一段レベルアップを果たした。団員の入替えも進みレベルが格段に上がった。毎月の定期演奏会も千九百名収容の群馬音楽センターに空席は少ない。これは群馬交響楽団に限ったことではなく、今や全国各地にある地方オーケストラの技術レベルは高い次元で拮抗している。地方、地方といいながら、団員の多くは他県勢とくに首都圏や京阪地区出身者が占める。実際、群馬交響楽団の団員にかつては多かった地元生まれは、今やほとんどいないと聞いている。団員の欠員ができるとオーディションが開かれるが、1名の募集に数十名の応募があるのが常で、藝大や桐朋等出身の優秀な団員が多くを占める。世界のオーケストラで団員の国際化が進んでいるのと同様に、日本の地方オケも今や「地場産」とは縁遠くなっている。


今回も手持ちのCDからアップした音源を貼っておく。
ベートーヴェンの九つある交響曲にはいずれも素晴しい変奏曲の楽章がある。中でも取り分け美しい交響曲第2番ニ長調の第2楽章。


イケイケ第7番イ長調第4楽章



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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