田邊ギター工房へ
久しぶりに田邊ギター工房へお邪魔してきた。
加工ブース。この他に大型製材加工機のある別室がある。天井からぶら下がるのはソニー・スカイセンサーICF5900…^_^

田邊さん、同行の知人たち。白い布がある台が塗装や調整・仕上げ用の作業台。

左から…
弦楽器フェア出品ハウザー1世モデル・修理預かりのオルディゲス・客注納品予定のハウザー1世モデル。

前回訪問したのが2014年秋だから4年ぶり。数年前までは勤務先からの帰途の途中で寄り道可能だったので、年に何度かはお邪魔していたのだが、このところはぼくの通勤ルートが変わったこともあり足が遠のいていた。今回の訪問目的は、今週末から開かれる弦楽器フェアに出品する楽器が出来上がったとのことで、事前に拝見したいとお願いし、快諾いただいたもの。弦楽器フェアは毎年この時期、文化の日前後の週末に北の丸公園内の科学技術館で開かれる。ヴァイオリン属・ギター/マンドリン・リュート属の製作家が集う年に一度のお祭りでもある。
地元のギター仲間二人を誘って当地から車で一時間。工房のある栃木県足利市へ。久々に会う田邊さんは相変わらず男前かつ柔和な物腰。彼の人柄に惹かれて田邊ギターを手にする人も多いのではないだろうか。その証しの一つとして、田邊さん同様の寡作で知られる他の製作家のものでも時折は販売店HPで中古出物が出るが、田邊ギターの中古は市場でほとんど見かけない。製作家の人柄とギターの評価とは別物だろうが、しかし楽器を手にしたときに、それを作ってくれた人をイメージし、その人柄と楽器とを同化させて愛着を抱くのは悪いことではないと思う。
さて木の香に満ちる工房に入り、さっそく弦楽器フェア出品予定のギターを拝見。今回はぼくが2014年に拝見した(こちら、こちらも)トーレスモデルではなく、近年注文の多くを占めているというハウザー1世モデル。設計仕様や音のイメージはハウザー1世ではあるものの、ヘッドやロゼッタのデザインはあえて変えたという。見た目もハウザー完全コピーだと、その見た目に引っ張られて、音にも先入観が入ってしまうことを避けたとのこと。ハウザーモデルではあるが、あくまで田邊ギターであることを、今回はあえて主張したのではないかと推察する。写真のように、ヘッドはゆるいスロープを描く円弧上のシンプルな形。一方ロゼッタは少し華やいだ模様と色使いだ。ブリッジはオーソドクスなシングルホール、ヘッドはもちろんVジョイント。各部の工作精度などはぼくら素人が論じるものではないが、どこから見ても完璧。ネックの仕込み角、フレットの始末、指板の加工など、ほれぼれする。



表板はスプルース。横裏板はインドローズ。重量はもっと軽量かと想像していたが、思いのほかずっしりとしている(おそらく1500グラム前後)。低音ウルフ(胴共鳴)はG付近でそれほど突出しておらず、古いスパニッシュのドッスン低音ではないが、6弦のローポジション全体に渡って量感は十分にある。高音は出来上がったばかりの状態なので、軽く反応する感じはやや希薄だが、ハイポジションも万遍なくよく鳴っていた。全体にハウザーモデルらしい重量感、しっかり感を感じる楽器で、これが弾き込みとエージングで5年、10年と経つと、反応の良さが加わってだろうと予見させる出来栄えだった。
弦楽器フェアは今週末11月2日金曜から三日間。頂いたパンフレットによれば、ギター属は26名の製作家が出品するようだ。あの中山修氏も出品予定。4年ぶりに出向てみようか思っている。
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