チャイコフスキー 組曲第4番



どんより曇り空の一日。朝から昼過ぎまで野暮用外出。帰宅後部屋を暖め、数日ぶりにオーディオセットに灯を入れた。午後の音盤タイムにこんな盤を取り出した。


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チャイコフスキーの組曲第4番「モーツァルティアーナ」。エルネスト・アンセルメ指揮スイスロマンド管弦楽団による演奏。1959年録音。手持の盤は昨年手に入れたアンセルメの主要録音を集めたボックスセットのロシア音楽編33枚組中の#2。くるみ割り人形の後編と組曲第3番、第4番が収録されている。第4番ト長調はその名の通り、モーツァルトの楽曲をモチーフにしたもので以下の4曲から成る。それぞれの原曲は第3曲の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」以外はあまり知られた曲ではないだろう。

第1曲「ジグ」=K.574
第2曲「メヌエット」=K.355
第3曲「祈り」=K.618 モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
第4曲「主題と変奏」=K.455「グルック:<予期せぬ邂逅またはメッカの巡礼者たち>の主題による10の変奏曲」

リヒャルト・シュトラウスを待つまでもなく、チャイコフスキーが副題を付してこうした曲を成したことからしても、ロマン派のこの時期、モーツァルトはやはり偉大な作曲家として敬愛されていたことがわかる。曲は原曲をロマン派時代の管弦楽法によってほぼ忠実に置き直したといってよいもので、時に濃厚なロマンティシズムを交えながらも、モーツァルトの原曲の良さをよく伝えているように思う。中では半音階進行や不協和音が効果的に盛り込まれた第2曲「メヌエット」、各変奏が多彩な管弦楽法で再現される第4曲「主題を変奏」がチャイコフスキーらしさ楽しませてくれる。

楽譜付き音源。第2楽章メヌエットは1分38秒から。第4楽章主題と変奏は9分12秒から。


第2曲メヌエットの原曲K.355



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ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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