メンデルスゾーン交響曲第1番変ホ長調
仕事始めの1週間が終了。正月明けという気分も希薄。淡々とした今年の始まりだ。週末土曜日。これといった用事もなく一日終える。夜になって食卓テーブルのノートPCを開き、ネットに流れるニュースを眺めながら、こんな盤をドライブにセットした。


年頭以来の1番推し。今夜はメンデルスゾーン(1809-1847)の交響曲第1番ハ短調。カラヤン&BPOによる全集中の1枚。1972年ベルリン・イエス・キリスト教会での録音。例によってギュンター・ヘルマンスと、彼に加えてクラウス・シャイベが録音技術を担当。まさにカラヤン黄金期の布陣。メンデルスゾーンの1、2番が手元になかったので、それではと物色し、数年前にタワーレコードのワゴンセールで買い求めたもの。
この曲はメンデルスゾーン15歳のときの作品。それ以前に弦楽のための交響曲を12曲作り、そのあとに作った初めての管弦楽交響曲。第1楽章冒頭から古典~初期ロマン派の短調作品がもつ劇的な展開と感情表現が素晴らしい効果をあげている。第2楽章は15歳の少年が作ったものとは思えない深い叙情と歌に満ちていて、今更ながらにメンデルスゾーンの天才ぶりに驚く。第3楽章はメヌエットだが実質的にはスケルツォ。ここでも短調らしい厳しい表情と時々長調に転じたときの大らかな響きのコントラストが素晴らしい。アレグロ・コン・フォーコの指示がある終楽章もロンド形式ではなく、きっちりとソナタ形式で書かれていて、手に汗握る展開だ。中間部におかれたフーガも素晴らしい効果を上げている。
カラヤンの演奏は各パートがもっと渾然一体となった、やや肥大した響きだったように記憶していたのだが、きょう聴いてみるとそんな感じはない。各パートはきっちりと分離し、整ったアンサンブルを聴かせる。よく伸びた低弦群の音がヘッドフォンからしっかりと聴こえてくる。木管群の距離感も適切だ。それでもトータルとしては、細部よりは全体を、縦よりは横を重視した解釈と演奏。テンポ設定も意外にもゆったりとしていて、この曲の若々しい側面はやや控えめ。むしろ成熟した響きを感じさせる演奏だ。
この盤の音源
スコア付き音源。アバドとロンドン響による演奏だそうだ。
フランツ・リスト・ワイマール音楽大学の学生オケによる演奏。ベルリンフィルの教育プログラムの一環として、フィルハーモニーの室内楽ホールで演奏されたときの模様だそうだ。
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