ショスタコーヴィチ交響曲第1番ヘ短調



年明けから何気なく続けている第1番シリーズ。今夜はこの1番と取り出した。


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ショスタコーヴィッチの交響曲第1番ヘ短調。ジョン・マルティノン指揮ロンドン交響楽団による演奏。1957年録音。手持の盤は英デッカの廉価盤シリーズeclipseの輸入盤。はっきりした記憶はないが、十数年前怒涛の大阪出張が続いていた頃、例によって投宿先近くの名曲堂阪急東通り店で買い求めたはずだ。同じショスタコーヴィッチのバレエ『黄金時代』組曲 がカップリングされている。久々に取り出したが、盤質も良好で英デッカらしい明解でクリアな音が楽しめる。

第1楽章はソナタ形式、第2楽章にトリオ付きのスケルツォを置き、第3楽章の緩徐楽章からアタッカで続く第4楽章、管弦楽は2管編成、演奏時間も30分を少し超える程度…と、形式としては古典的様式を踏襲し、オーソドクスに作られている。しかし、ショスタコーヴィッチのその後の作品で表出する要素はほとんど出揃っている感がある。推進力のあるアレグロ、コミカルかつシニカルなスケルツォ、心の深層に入り込んでくるようなひんやりとした抒情、破壊的なフォルテシモ等々。見方を変えれば、古典的様式と規模の中に、よくこれだけの個性のエッセンスを盛り込んだものだと感心する。しかもこの曲が1925年、ショスタコーヴィッチ(1906-1975)のレニングラード音楽院卒業時の作品として書かれた、まだ二十歳に満たなかった青年の作品であることは驚きでしかない。


この盤の音源で第2楽章スケルツォ。軽快なリズムと目まぐるしく変わる管弦楽の響き。ゆっくりとしたトリオをはさんむ急速部はさながらピアノ協奏曲。


同第1楽章。序奏に続き、行進曲調の第1主題(1分47秒から)のあと、第2主題は4分の3拍子のワルツに転じる(2分45秒から)。  ところでこの音源、全4楽章がそれぞれアップされているのだが、公開日2018年12月15以来の視聴回数がゼロ。今夜のぼくのアクセスで視聴回数1回が初めてカウントされたようだ。


スコア付き音源で全楽章。 PCの画面でもフルサイズでみれば、十分読み取れる。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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