バッハ チェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV1052



立春から暖かい日が続いていたが、きのうから寒波到来。きょう土曜日も終日陽射しなく底冷えのする一日。雪の予報も出ていたが、当地では降雪なく終わる。野暮用から帰り、暗く垂れこめる空を眺めながらの音盤タイム。前回のBWV1041を受け、続けてバッハの協奏曲。こんな盤を取り出した。


201902_GG_LB_Bach_1052.jpg


グールドのピアノ、バーンスタイン指揮コロンビア交響楽団の伴奏によるバッハのピアノ(チェンバロ)協奏曲第1番ニ短調BWV1052。冒頭のシンコペーションを伴ったモチーフからして、バッハのチェンバロ協奏曲の中でも一頭抜きん出た名曲だ。 グールドとバーンスタインというと、例のブラームスの協奏曲での一件が有名だが、バーンスタインももちろんグールドの才能を認めていて、バッハのこの協奏曲の他にも、ベートーヴェンの協奏曲では第2、3、4番で指揮を取っている。1957年録音で、グールドの盤歴でも初期のものにあたる。最初のゴールドベルクが1955年録音。次いでベートーヴェンの後期ソナタ集が出て、その次がこのバッハの第1番とベートーヴェンの第2協奏曲のカップリングがリリースされた。手持ちの盤は例のボックスセット中の一枚。

この当時、革新的だったグールドのバッハ演奏ではあるが、こうして協奏曲を聴くと、やはりグールドひとりの音楽ではないことを実感する。バーンスタイン指揮のコロンビア響(実態はニューヨークフィル他の混成オケ)の響きは重々しく、モノラルの録音とも相まってニ短調の調性に相応しい陰影に富む。軽い明るさなどとは無縁だ。またバーンスタインの資質もあってフレーズはやや粘り気味で、グールドの飛翔するバッハのイメージとはかなり異なる。グールドの方もバーンスタインのバックを受けて、いつになく重厚かつ一音一音エネルギーに満ちた弾きぶりだ。60年も前の演奏。時代といってしまえばそれまでのことなのだが、さすがのグールドもバーンスタインが相手では協調路線となったのか。もっともグールドの演奏の本質にはロマンティックな要素も強く、こうした演奏様式も彼の一面であるのだろうけど…


長きに渡って放映されたテレビ番組での、この盤と同じ組み合わせによる演奏。まずバーンスタインのレクチャー(素の楽譜からどう解釈して曲を構成するかの簡単な一例)があって演奏が始まる。


トレヴァー・ピノックとイングリッシュコンソートによる演奏。この曲の現代のスタンダードかな。


楽譜付き音源(左:ソロ 右:オケ)



■ にほんブログ村ランキングに参加中 ■
■↓↓↓バナークリックにご協力を↓↓■
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
QRコード
QR
閲覧御礼(2010.10.01より)