バッハ チェンバロ協奏曲第1番ニ短調 BWV1052
立春から暖かい日が続いていたが、きのうから寒波到来。きょう土曜日も終日陽射しなく底冷えのする一日。雪の予報も出ていたが、当地では降雪なく終わる。野暮用から帰り、暗く垂れこめる空を眺めながらの音盤タイム。前回のBWV1041を受け、続けてバッハの協奏曲。こんな盤を取り出した。

グールドのピアノ、バーンスタイン指揮コロンビア交響楽団の伴奏によるバッハのピアノ(チェンバロ)協奏曲第1番ニ短調BWV1052。冒頭のシンコペーションを伴ったモチーフからして、バッハのチェンバロ協奏曲の中でも一頭抜きん出た名曲だ。 グールドとバーンスタインというと、例のブラームスの協奏曲での一件が有名だが、バーンスタインももちろんグールドの才能を認めていて、バッハのこの協奏曲の他にも、ベートーヴェンの協奏曲では第2、3、4番で指揮を取っている。1957年録音で、グールドの盤歴でも初期のものにあたる。最初のゴールドベルクが1955年録音。次いでベートーヴェンの後期ソナタ集が出て、その次がこのバッハの第1番とベートーヴェンの第2協奏曲のカップリングがリリースされた。手持ちの盤は例のボックスセット中の一枚。
この当時、革新的だったグールドのバッハ演奏ではあるが、こうして協奏曲を聴くと、やはりグールドひとりの音楽ではないことを実感する。バーンスタイン指揮のコロンビア響(実態はニューヨークフィル他の混成オケ)の響きは重々しく、モノラルの録音とも相まってニ短調の調性に相応しい陰影に富む。軽い明るさなどとは無縁だ。またバーンスタインの資質もあってフレーズはやや粘り気味で、グールドの飛翔するバッハのイメージとはかなり異なる。グールドの方もバーンスタインのバックを受けて、いつになく重厚かつ一音一音エネルギーに満ちた弾きぶりだ。60年も前の演奏。時代といってしまえばそれまでのことなのだが、さすがのグールドもバーンスタインが相手では協調路線となったのか。もっともグールドの演奏の本質にはロマンティックな要素も強く、こうした演奏様式も彼の一面であるのだろうけど…
長きに渡って放映されたテレビ番組での、この盤と同じ組み合わせによる演奏。まずバーンスタインのレクチャー(素の楽譜からどう解釈して曲を構成するかの簡単な一例)があって演奏が始まる。
トレヴァー・ピノックとイングリッシュコンソートによる演奏。この曲の現代のスタンダードかな。
楽譜付き音源(左:ソロ 右:オケ)
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