M・ポンセ <ソナタ・クラシカ>


二月最後の週末土曜日。朝から野暮用外出。夕方近くに帰宅した。
夜更けて、さてさて、先回のウォルトン<5つのバガテル>が「弾けない確認」に終わったので、今夜はリベンジ。ギターを取り出し、これなら何とかなるかと、この曲をさらうことにした。


201902_Ponce_Sonata_Classica.jpg


マヌエル・ポンセ(1882-1948)のソナタ・クラシカ。ポンセについてあらためて説明するつもりはないが、アンドレス・セゴビアとの交流を通じて、近現代の作曲家として貴重なギター作品をいくつか残した。特に多楽章の本格的なソナタは、クラシックギター界の貴重な財産だ。数曲あるポンセのソナタのうち、このソナタ・クラシカは技術的には中上級者の弾き手ならばチャレンジ可能なレベル(≒初見で7割程度弾ける)。加えて、19世紀古典ギター全盛期の筆頭ともいうべきフェルナンド・ソルへのオマージュとして書かれたその作風は、古典への素養があれば、すぐに馴染める曲想だ。曲は型通りの4楽章形式。第1楽章アレグロ、第2楽章アンダンテ、第3楽章メヌエット、第4楽章アレグロと続く。例の擬バロック風の組曲イ短調と比して、この曲はよりストレートに古典派の和声感で作られている。技術的には本家ソル作品15のソナタあたりと同レベルだろうか。中上級者の取組み意欲をかき立ててくれる佳曲だ。


楽譜付き音源。


この曲を初演したセゴビアの演奏。



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上の演奏の楽譜は…

阿部恭士さん校訂の版…セゴビアの演奏に合わせた版❗️

ご自身のサイトでポンセの作品ほとんどを公開されています🎵

Re: M・ポンセ <ソナタ・クラシカ>

私も少し前に見つけて、ちょっと驚きました。
阿部恭士氏が自分の記録・足跡を残そうと考えたのですかね。ベースの楽譜は明らかにショットのセゴビア版。セゴビアの文字は消されているけど…

http://abe-guitar.com/arrange/ponce/031-sonataClasica.pdf

http://abe-guitar.com/JPN/index.html

与太@移動車中

ある出版社から

ポンセの著作権切れを待ち、出版の予定だったが、計画が実行に移らずご自身のサイトで公開することとした…と書かれています🎵
セゴビアの実際の録音に基づく版として出版する意図でした❗️

Re: ある出版社から

そういう事情だったのですね。
http://abe-guitar.com/arrange/ponce/030-00.pdf
それにしても、全音から何冊も曲集を出している阿部恭士氏。なぜポンセが見送りになったのか…
新井伴典氏によるトローバ曲集は全音が出ましたが、その路線で出す企画だったのでかあと思っています。
プロフィール

マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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