A・タンスマン:カヴァティーナ組曲
気付けば寒さも癒えて弥生三月。ひと月も経たないうちに桜の便りかあ…とぼやきつつ本日も業務に精励。週末金曜日。夜更けのひととき、先日少しまとめて届いた楽譜からこの曲を取り出した。

アレキサンデル・タンスマン(1897-1986)のカヴァティーナ組曲。数年前に新たに発刊されたフレデリック・ジガンテ校訂のショット版。古いセゴビア編を持っていたはずだと思っていたが、どうやら勘違いか長年のずぼら生活の間にどこかへ出払ったのか結局見当たらず、今回あらためて注文した。十分に確認していないが、このジガンテ編には過去のエディションとの違いなど、かなり詳細な校訂ノートが記されている。
タンスマンはセゴビアと同時代人で交流も深く、そのギター作品の多くがセゴビアのために作曲された。新古典主義的な手法とポーランドの民族的要素とを併せ持つタンスマンの作風は聴いても弾いても楽しく、特にこの組曲の終曲:ダンツァ・ポンポーザ(華麗なる舞曲)は70年代に音楽之友社から出ていたセゴビアアルバムでも親しんだ懐かしい曲だ。
タンスマンのギター曲にはもちろん難曲も多いのだが、カヴァティーナ組曲とポーランド風組曲の2曲は中上級者なら取り組む気にさせてくれる。カヴァティーナ組曲は民族色の色濃いポーランド風組曲に比べると新古典主義の色合いが強いクラシカルな曲想。演奏上の難易度もポーランド風組曲より少し高いと感じるが、まあ少々ごまかしながらでも十分楽しめる佳曲だ。
楽譜付き音源。演奏は下に貼ったカヴァレロのものと思われる。曲はプレリュード、サラバンド、スケルツィーノ、舟歌、華麗な舞曲の5曲から成る。
ホルヘ・カヴァレロによる全曲。
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