イギリス弦楽作品集
三月に入り、年度末業務も本格追い込み…と思いながら本日も程々に業務に精励。7時過ぎに帰宅した。さてさて、相変わらず落ち着いて音楽を聴く気分でもないのだが気を取り直し、久しぶりにこんな盤を取り出した。

ナクソスレーベルのイギリス弦楽作品集(English String Festival)。ナクソスが大いに話題になっていた十数年前に買い求めた。イギリス近現代作曲家の手になる弦楽合奏作品を中心に収められている。2000年前後のナクソスレーベルはユニークなコンセプトのアルバムを次々に出し、クラシック音楽界に大いに話題を振りまいた。それまで廉価盤レーベルというと、多くが大作曲家の名曲路線が中心だったが、ナクソスはあえてマイナーな作曲家、マイナーな作品、マイナーな演奏家を探し出してきた。このイギリス弦楽小品集もそんな盤の一つで、実際かなりのセールスをあげ、続編が多数リリースされた。きょう取り出した盤はシリーズ第2作だったと記憶している。録音は1989年。ナクソスとしては初期の録音に属する。エイドリアン・リーパー指揮カペラ・イストロポリターナという、この時期のナクソス専属のような団体による演奏。収録曲は以下の通り。
ジョン・ダウランド:5声のガイヤルダ
エドワルド・エルガー:弦楽のためのエレジー。序奏とアレグロ。弦楽セレナーデ。
フランク・ブリッジ:悲歌
ヒューバート・パリー:イギリス組曲。レイドノー嬢の組曲。
どんな楽器もそうだが、特に弦楽器は合奏と縁が切れない。幼児のキラキラ星でさえ合奏で練習する。その響きの素晴らしさと音楽的感興は、無伴奏やピアノ伴奏のソロとはまた違った楽しみと味わいがある。基本が独奏主体のギター弾きからみても、まことにうらやましい。バロックから古典、ロマン派以降まで多くの弦楽合奏作品がある中、この盤にはイギリスという国の性格を反映するかのように、穏やかなロマンティシズムと中庸をいく表現と品格に満ちた佳曲が収められている。ダウランドを除くと他は近現代の作品。じっくり聴くもよし、所在なく時間を過ごすときのBGMとしてもよしという趣きだ。 さすがにエルガーの二つの作品は、イマジネーションの豊かさと和声のオリジナリティにおいて一頭抜きん出ている。パリー(1848-1918)のイギリス組曲は、このアルバムのコンセプトをもっともよく反映しているかもしれない。20世紀初頭の曲ながらプレリュード・メヌエット風に・サラバンド・カプリス・パストラール・エア・フロリックというバロック舞曲形式を模して書かれている。擬バロック様式の素朴な美しさに満ちていて、穏やかなイギリスや中欧の田園風景を思わせる。
この盤の音源でヒューバート・パリー:イギリス組曲。
エルガー:弦楽セレナーデ作品20。
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