ブラームス:チェロソナタ第1番ホ短調
結局この冬は暖冬だったのかな…。寒の戻りもなく、このまま桜の便りが届きそうだ。
本日も程々に業務をこなし定時に退勤。週末金曜日につき夜更かしOK。アンプの灯を入れ、こんな盤を取り出した。

ブラームスのチェロソナタ集。ロストロポーヴィッチ(1927-2007)のチェロとルドルフ・ゼルキン(1903-1991)のピアノ。1982年録音。十年程前に廉価盤で出た際に買い求めた。
ロストロポーヴィッチはまぎれもなく20世紀最高のチェリストの一人だろう。手元にはカラヤンと組んだドヴォルザークのコンチェルトやリヒテルと組んだベートーヴェンのソナタなど、いくつかの盤があっていずれも素晴らしい。がしかし、ときとしてあまりに上手過ぎて、あるいはスケールが大き過ぎて、ということがある。バッハの無伴奏などは、言葉は適当でないだろうが、もう少しこじんまりと弾いてほしいと思ってしまうのだ。このブラームスも店で手に取って買い求めたときは、どちらかというとそんなネガティブな予想があって、あまり期待していなかった。ところが実際に聴いてみると、これがどうして中々素晴らしい。
ソナタ第1番の第1楽章はピアノの裏打ち音型にのってチェロの最も低い音域で開始するが、この出だしから実に渋く抑制が効いている。ワンフレーズ歌ったあと今度は高音域で対旋律を弾くのだが、ここがまたこれ以外はありえないと思わせる抑えと内に秘めた思いとがこもった歌いっぷりなのだ。この第1楽章の出だしだけで、もうこの演奏の良さは見通せてしまうほどだ。第2楽章も流れは変らずブラームスと聴いてイメージする音をことごとく提示してくれる。中間部の嬰へ短調の美しさも文句なし。ロストロポーヴィッチはやはり偉大なマエストロであることを再認識するアルバムだ。そしてこのアルバムジャケットの二人の笑顔、何とも素晴らしい。
この盤の音源。第1番・第1楽章。
「音楽と情熱」ベンジャミン・ザンダーによるこの曲のレッスン。
楽譜付き音源。演奏はデュプレとバレンボイム。
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