舘野泉:フィンランド・ピアノ名曲集
春分の日。野暮用少々こなした他は終日在宅。午睡から覚めた夕方のひととき、前回の記事に書いたシベリウス:抒情小品集で思い出し、北欧つながりのこんな盤を取り出した。

以前、一度記事にした舘野泉によるフィンランド・ピアノ名曲集。1991年、舘野泉氏がまだ<左手のピアニスト>になる前、五十代の壮年期に録られたもの。彼の第二の故郷ともいえるフィンランドの作曲家による小品集。原盤はFINLANDIAレーベル。手持ちの盤はワーナークラシックレーベルの廉価盤シリーズの一枚。廉価盤として出てからも、すでに十年以上経過しているが、息長く人気を得ている様子。収録曲は以下の通り。少し長くなるが記しておく。
シベリウス作曲
練習曲 作品76-2
樅の木 作品75-5
即興曲 作品5-5
ロンドレット 作品40-7
メリカント作曲
牧歌 作品73-1
ゆるやかなワルツ
スケルツォ 作品6-4
メラルティン作曲
舟歌 作品59-1
蝶のワルツ 作品22-17
高みにて 作品98-3
パルムクレン作曲
とんぼ 作品27-3
プレリュード=カプリス 作品84-3
5月の夜 作品27-4
ヴィネツィアのゴンドラ漕ぎ 作品64-1
海 作品17-12
クーラ作曲
羊飼いのポルカ
結婚行進曲 作品3-2
カスキ作曲
前奏曲 作品7-1
トロルのタップダンス 作品15-1
マデトヤ作曲
ワルツ 作品34-4
古い記憶 作品31-4
伝説 作品34-3
ハンニカイネン作曲
夕べに
ワルツ 作品17-1
リンコ作曲
アリア 作品1-4
田園風メヌエット 作品6-9
かなりのクラシック通でも、こと北欧となると見知っている作曲家の名前はぐっと減るだろう。実際、ここのリストした作曲者でシベリウス以外で数名の名を上げられたら、かなりの北欧通だ。まあ、通でもあってもなくてもどうでもいい。北の彼の地にも、歴史的に多くの作曲家がいて佳作を残し、いまこうして極東のド田舎の端っこに住むオッサンを和ませる多くの曲があるという事実だけで、世界は広し、歴史は長しと思う。
演奏者自身によるライナーノーツによれば、ここの収められている多くの曲は民族的ロマン主義のカテゴリーに入り、現在でも多くのフィンランド人に愛されている曲ばかりだそうだ。メリカントはシベリウス以上に親しまれ、クーラの<結婚行進曲>は実際に婚礼の音楽として使われることも多いという。 いずれも数分に満たない小品。淡い抒情、静かな祈り、冬の夜の星のきらめき、深い森に囲まれた鏡のような湖面…そんなイメージが自然とわいてくる。 コアなマニアでなければ、お手軽に北欧風情を楽しめる、一家に一枚的なエヴァ―グリーンだ。
シベリウス <樅の木> 作品75-5
メリカント <牧歌> 作品73-1
舘野泉@2016
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