ウェーバー序曲集
週末金曜日。都内での仕事のあと、日本橋まで出てちょっと買い物。いつもより少し遅く帰宅した。さて明日は土曜の休日。あたりが静かになったところでアンプの灯を入れ、音盤タイムと相成った。取り出したのはこの盤。

ナクソス盤の<ウェーバー序曲集>。ナクソスに多くの録音を残しているポーランドの指揮者アントニ・ヴィット(1944-)がニュージーランド交響楽団を振った1枚。2006年録音。収録曲は以下の通り。
「オイリアンテ」序曲
「ペーター・シュモルとその隣人たち」序曲
「オベロン」序曲
「幽霊の支配者」序曲
付随音楽「トゥーランドット」のための序曲と行進曲より序曲と第2幕の行進曲
「プレチオーザ」序曲
「シルヴァーナ」序曲
「歓呼」序曲
「アブ・ハッサン」序曲
「魔弾の射手」序曲
ウェーバーの序曲というと<魔弾の射手><オベロン><オイリアンテ><アブ・ハッサン>辺りが、コンサートでもCDでも、ほぼこの順番の頻度で取り上げられる。ぼくもこの盤を手にするまでの他の曲はまったく覚えがなかった。あらためて聴いてみると、やはりこれら常連組はよく出来ている。元々の歌劇そのものを聴かずして、その序曲を語る資格などないのだろうが、有名な<魔弾の射手>や、ぼく自身もっとも好きな<オベロン>などは、エンターテイメントとしてのオペラのエッセンスがドイツ音楽の伝統の中に調和する。ドイツの深い森をイメージさせるホルンや、雄弁なチェロのフレーズなど、いつ聴いても心おどる。
アントニ・ヴィット(1944-)は日本のオケにも度々客演しているベテラン。ぼくも当地群馬交響楽団の定期で聴いたことがある。テンポは速からず遅からずで、いずれの曲も聴かせどころでは、しっかりカタルシスを感じさせてくれる指揮ぶり。70年の歴史を持つ実力十分のニュージーランド交響楽団の好演もあって、文句なしの出来栄えだ。録音もきわめて良好。低音重視のピラミッド型音響とは異なる、すっきりと見通しのよい音で各パートの分離やバランスがとてもよい。静寂の中から立ち上がる透明感のある音響は、このオケの個性と録音会場ウェリントン・タウンホールの音響によるものだろう。カラヤン、クーベリック、サヴァリッシュといった独墺系指揮者のウェーバーとは趣きが異なるが、この盤も現代的で明快な演奏として一聴の価値有りかと。
この盤の音源で<オベロン序曲> 独墺系序曲類の中ではもっとも好きな曲の一つ。
<魔弾の射手序曲> スウィトナー指揮NHK交響楽団。徳永(弟)・山口の1stVnツートップ。チェロ徳永(兄)他、懐かしき昭和のN響。
<オイリアンテ序曲> ダニエル・スミス指揮hr響。
演奏機会の少ない「歓呼」序曲 最後に英国国家がワンフレーズ入る。シノポリとこの曲ゆかりのシュターツカペレ・ドレスデン。
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