バッハ カンタータ「候妃よ、さらに一条の光を」BWV198



御代替わりをはさむ大型連休がスタート。初日土曜日のきょうは昼をはさんで野暮用少々。帰宅後、渋茶でクールダウンしつつ、何とはなしに厳かな曲を聴こうかと、こんな盤を取り出した。


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バッハのカンタータBWV198。<候妃よ、さらに一条の光を>と題される一曲。手持ちの盤は、例のブリリアントクラシックスの激安バッハ全集中の1枚。オランダのネーデルランド・バッハ・コレギウムというピリオドスタイルの団体が中心になったメンバーによる演奏。通奏低音には原曲の指定通りリュート2台も加わっている。
1727年バッハ42歳のときの作品。当時のザクセン候国選帝侯の妃であるクリスティアーネ・エーバーハルディーネの死去に際して執り行われた追悼式のために作られたという。「追悼頌歌=Trauer-Ode」と副題が付されている。教会音楽のミサ形式で書かれていればレクイエムということになるのだろう。曲は下記の通り大きく一部と二部からなり、バッハのカンタータの中でも規模の大きいもので、演奏時間は30分を越える。そして楽曲の美しさにより、古くからバッハのカンタータの中でも名曲として愛好されている。

第1部
 合唱
 レチタティーヴォ(ソプラノ)
 アリア(ソプラノ)
 レチタティーヴォ(アルト)
 アリア(アルト)
 レチタティーヴォ(テノール)
 合唱
第2部
 アリア(テノール)
 レチタティーヴォ(バス)
 アリア(バス)
 合唱

印象的な付点リズムの第1曲の合唱によって曲は始まる。以降、短調調性をベースにしたアリアとコーラスを交えて曲は進む。亡き妃を追悼し賛美する歌詞によるが、音楽そのものは悲しみに沈むというよりは、その生前の存在を礼賛するかのように、しばしば活力を伴った美しさに満ちている。第3曲ソプラノのアリア、第5曲アルトのアリアの美しいアリアに加え、フルートトラベルソとオーボエのオブリガートを伴って歌われる第2部テノールが歌うアリアも際立って魅力的だ。もちろん合唱部分はバッハを聴く醍醐味にあふれる。
ブリリアント盤で演奏しているネーデルランド・バッハ・コレギウムという団体は、総じて堅実な演奏をしているが、メジャーレーベルのトップ楽団ほどの完璧さはない。器楽パート合唱とも、ときに不安定さがのぞく。2000年前後のごく短期間にカンタータ全曲を録音したということもあって、指揮者による意思統一の度合いもさほど徹底している印象はない。しかしヨーロッパ社会の中で日常的に演奏される雰囲気とでも言おうか、素朴さと謙虚さとを聴くべき演奏かなと思う。

言うまでもなくバッハ作品の中でカンタータはその過半を占める。ぼくらギター弾きに中にはバッハに執心し愛好する輩も多く、それはそれで結構なことなのだが、多くの場合、リュート作品やギター用にアレンジされたいくつかを弾き、また弦楽や鍵盤作品に少々接する程度にとどまる場合が多い。そういうぼく自身もその典型のようは偏狭なビギナーに過ぎないが、やはりバッハは声楽曲とオルガン曲に接してこそという感を、最近あらためて感じる。


ルドルフ・ルッツ率いるJ.S.バッハ財団のオケと合唱団による演奏。楽譜指示通り、オケパートにはヴィオラダガンバ2本、通奏低音には大型のリュート2本が加わっている。



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