ムラヴィンスキー東京ライヴ1973



早いもので五月も半ば。南西諸島はすでに梅雨入り。当地関東地方は梅雨入りにはまだだいぶあるが、湿度感は次第にアップしていて、気温上昇と共に少し蒸し暑くなってきた。さて、そんな天気をスカッとさせたいと、先日聴いたムラヴィンスキーで思い出し、こんな盤を取り出した。


201905_Mravinsky_Tokyo_1973.jpg


前回の記事に書いたエフゲニー・ムラヴィンスキー。還暦以上の音楽ファンには、その威厳に満ちた風貌や手兵レニングラード・フィルとの名演の数々を思い浮かべるだろう。まさに東西冷戦時代を通じて20世紀の巨匠として君臨した指揮者の一人だ。今夜取り出した盤は1973年彼らが待望の初来日を果たした際のライヴ録音。飛行機嫌いのムラヴィンスキーはシベリア鉄道と船を使って日本まで来た。とんでもない地の果てに行くつもりだったらしいが、初来日で大そう日本が気に入り、その後数回に渡り来日を繰り返すことになった。
1973年5月26日東京文化会館での演奏。第一次オイルショックで日本中が大騒ぎになった年だ。収録曲はベートーヴェンの交響曲第4番とリャードフとグラズノフの小品2曲。同日に演奏されたショスタコーヴィッチの第5番も別の盤で出ている。

何といってもベートーヴェンの4番が素晴らしい。この演奏はベートーヴェンの時代の様式感とかウィーン古典派でありながら斬新な創意に満ちた佳曲…といった位置付けにはない。どこをとってもムラヴィンスキーとレニングラードフィルのベートーヴェンだ。全編通して極めて整ったアンサンブルが印象的で、ジャケット写真を見るとかなり大きな編成で演奏されたと思われるが、音だけ聴いているとそんな印象はない。各パートとも音程が正確で縦の線が揃っているために、オケの音が肥大化しない。まさに筋肉質の演奏だ。しかもエネルギーの集中はもの凄く、ここぞというときのフォルテやアクセントでは爆発的なパワーを発揮する。

長身で眼光鋭いムラヴィンスキーににらまれ、団員達もさぞ緊張していたに違いないが、この曲の随所に出てくる木管群の聴かせどころでも、いずれも切れ味のよい技巧をみせてくれる。弦楽群のアンサンブルも少々大げさな表現だが筆舌に尽くしがたい。速いパッセージを弾くコントラバスもビシッと揃っている。ムラヴィンスキー&レニングラードフィルの演奏はセッション録音でもチャイコフスキーの後期交響曲など素晴らしい盤を残しているが、やはりライヴにこそ真髄がある。内角胸元鋭くえぐるカミソリシュート。そんな感じのする今時聴けない演奏だ。


手持ちの盤からアップした。ベートーヴェン第4交響曲第1楽章。


インタビューの様子。やっぱり怖そうだ(*_*)



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