ポール・パレー ベルリオーズ 幻想交響曲


一昨日記事に書いたコンドラシン指揮の仮面舞踏会。この盤は演奏もさることながら、ステレオ初期に名録音を次々にリリースしたRCA「リビング・ステレオ」による優秀な録音でも知られる。モノラルからステレオに切り替わった当時、各社がその効果を生かしたシリーズ物を出した。その中でRCAのリビングステレオと並んで有名なのが、LP初期から名をはせていた米マーキュリー社による「リビング・プレゼンス」シリーズだ。きょうはその中から、ポール・パレー指揮デトロイト交響楽団による、ベルリオーズ「幻想交響曲」の盤を取り出した。1959年・昭和34年、日本はまさに夕陽丘三丁目時代の録音だ。


IMG_0578.jpg  PaulParay.jpg


出だし、木管群の短い導入句に導かれ、弦楽セクションが弱音で入っていくる開始からして、何ともいえない幻惑的な雰囲気に満ちている。リビングプレゼンスシリーズの売りだった、ハーフインチテープによるマルチトラック録音。わずかにテープヒスが残るものの、音の立ち上がり、切れが素晴らしくいい。第一楽章開始後4分半ほどで主部に入る。ここでもトゥッティのフォルテシモが余裕を持って響き、一つ一つの音がつぶ立ちよく聴こえながら、奥行き・左右の広がりのプレゼンスも申し分ない。当時は米国自動車産業の街として絶頂期だったと思われるデトロイトのオケも、きっと腕利きの集まりだったに違いない。ポール・パレーはフランス生まれであるが、繊細さと同時に豪放さも持ち合わせていたのだろう、引き締まった響きと軽快な曲の運びに加え、ここぞというときの思い切りのよさも抜群だ。録音当時70歳を過ぎていたとは思えない。
手元にあるCD盤では幻想の他に同じくベルリオーズの序曲が3曲納められている。中でも「ハンガリー行進曲」のライブ感あふれる演奏は圧巻。特にコーダの最後で一気にテンポを落とすところなど鳥肌ものだ。

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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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