豊島たづみ・丸山圭子



最近はもうほとんどテレビは観ない。ゴールデンタイムにチャンネルを回しても(あっ、押してもか…)、どこもかしこも井戸端会議のバラエティ。民放とNHKも区別がつかなくなった。最初に無くなってもいい家電の筆頭はテレビかもしれない。一方深夜放送・エアチェック世代のせいかラジオへの思い入れは強く、無くなっては困る家電の筆頭はラジオということになる。しかし、そんな分別臭いことをいうぼくも、かつてはそれなりにテレビを見ていた。特に社会人になってから何年かはテレビドラマの恋愛ゲームを観ては、そんなものには無縁な自分と照らし合わせて悶々としていたのだろう。遥か記憶の彼方だけれど。


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1979年。TBS系列で「オレンジ色の愛たち」というドラマがあった。宇津井健、秋吉久美子らが出ていた都会派のドラマで、その後出てくるトレンディードラマの走りだったかもしれない。ドラマの中身はまったく記憶にないのだが、豊島たづみが歌うテーマ音楽「行き暮れて」と、オープニングに写る丸ノ内線が神田川の上を渡る御茶ノ水聖橋の光景だけはよく覚えている(写真下:この構図は本当に美しい)。テーマ曲の「行き暮れては」はその後ずっと気になっていて、十数年前にリサイクルショップのジャンクレコード箱からこの曲が入ったアルバムを見つけ、30年ぶりの再会を果たした。久々に針を落としてみたが、今聴いても新鮮だ。スローテンポの16ビートとボサノバを織り交ぜた曲調、時折りセンスのいいテンションコードも入った都会的なアレンジにのって、豊島たづみが肩の力を抜いて少し気だるく歌っている。アレンジのセンスがいいのでクレジットを見ると大村雅朗と記されていた。八神純子の「みずいろの恋」や松田聖子の「Sweet Memories」、渡辺美里「My Revolution」など数々のヒット曲の作編曲を手がけたが、1997年に46歳の若さで逝去したとWikipediaにあった。

その少し前になるが、同じテイストの都会的なボサノバ調の曲、丸山圭子の「どうぞこのまま」がヒットした。学生時代の終わり頃よく聴いたこを思い出す。この頃はまだ都会と田舎の差は大きく、当時地方都市で学生生活を送っていたぼくは、イメージとしての都会やそこでの恋愛を想像しながら、こんな曲を聴いていたのかもしれない。結局都会での生活も恋愛も経験することなく月日が過ぎた。豊島たづみ丸山圭子もぼくと同い年。二人は今もそれぞれのペースで活躍しているようだ。あれから30年余。遥かに来てしまったなあ…


豊島たづみ「行き暮れて」


丸山圭子「どうぞこのまま」



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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