アバドのロッシーニ序曲集



先日のロッシーニ序曲集のセラフィン盤で思い出し、今夜はこんな盤を取り出した。


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アバド&ロンドン交響楽団によるロッシーニ序曲集。1978年の録音。手持ちの盤はLP時代終盤の80年代後半に廉価盤で出た際に手に入れたもの。アバドは70年代前半にも同じロッシーニ序曲集をDGに、また80年代終わりにヨーロッパ室内管とも録音している。このRCA盤の収録曲は以下の通り。

 1. セミラーミデ
 2. 絹のはしご
 3. イタリアのトルコ人
 4. イギリス女王エリザベス」(セヴィリアの理髪師)
 5. タンクレーディ
 6. ウィリアム・テル

オペラ本体を観ずに序曲だけ聴いてその気になるのは、オペラファンからはブーイングの嵐かな…。まあ、そう言わんで下さいな。ロッシーニばかりか、ウェーバーやモーツァルト(スウィトナーの魔笛やベームの理髪師などの全曲盤も手元にあるが…)、ワグナーも歌には興味がわかず。言葉も分からないし…。しかしその音響はもちろんLOVE。
高校時代、ロッシーニのことを「イタリアのモーツァルトって感じかな」とぼくに教えてくれたのは学業優秀かつフルートもセミプロ級だったS君だった。この盤でも颯爽として明快で、ややこしいことをつべこべ言わず、一気呵成に進むロッシーニ節が楽しめる。

アバドはもちろん、こうした曲にはぴったりの指揮者だ。なんといってもミラノスカラ座の御大を長らく務めた。序曲はもちろん、そのベースとなっているオペラの隅々まで知り尽くしているし、一節一節のオペラの中での役割を心得た上での序曲演奏に違いない。アバドはロンドン響と70年代初頭から密接な関係にあり、80年代には音楽監督を務めた。同団はアバドに絶大な信頼をおいていたという。この盤の演奏は中々熱演ではあるが、録音セッションらしい整った演奏という印象が先に立つ感もある。これがミラノスカラ座のオケだともっと自在にかつ自発的に歌うのだろう。もう少し荒削りでもいいから、一筆書きのような勢いもあっていいかなと贅沢な注文を付けたくもなる。収録曲の中では、曲の良さもあって「イギリスの女王エリザベス」(セヴィリアの理髪師)と「ウィリアム・テル」がもっとも楽しめる。


同コンビによる1972年のDG盤音源。<セヴィリアの理髪師>序曲


1991年のニューイヤーコンサートでのアバドとウィーンフィルによる演奏。<泥棒かささぎ>序曲。



ロッシーニが活躍した時代は古典ギター全盛期と重なる。人気作曲家だったロッシーニの曲は、フェルディナンド・カルリ、マウロ・ジュリアーニといった当代のギター作曲家・演奏家によって取り上げられ、編曲された。以下に2つ貼っておく。

昨年夏に来日したクピンスキー・ギターデュオというユニットによる<泥棒かささぎ>序曲。編曲はオリジナルとのことだが、ジュリアーニがギター二重奏にアレンジした楽譜あたりがベースになっているものと思う。ギターに馴染みのない方のために付け加えておくと、冒頭のスネアドラムを模した音はギターの低音弦を使った特殊奏法によるもの。


19世紀ギターとフォルテピアノのデュオによる<セヴィリアの理髪師>序曲。フェルディナンド・カルリの編曲による。



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Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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