Somethin'n Else



今週に入ってから、じわじわと気温上昇中。 きょうはいつもより少し早く帰宅。薄暮の中、パピーの散歩をすると、思いのほか大汗をかいた。夜更けて、程よくエアコンの効いた部屋で、今夜は久しぶりにジャズ。音盤棚を見渡し、こんな盤を取り出した。確かLP盤もあったはずだが…まぁ、いっか。


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マイルス・デイヴィス、キャノンポール・アダレイらによる名盤「Somethin' Else」。ジャズの名盤案内に登場する確率が最も高い「あまりに有名な」アルバムのひとつだ。リーダー名義はキャノンボール・アダレイだが、実際はマイルス・デイヴィスが主導するアルバム。契約の関係でマイルスの名を前に出せなかった由。1958年録音。そしてシャンソンの名曲<枯葉>をジャズの世界に持ち込み、スタンダードとして定着させた盤としても有名だ。

まずその<枯葉>を聴く。やや不安定な和声で意味深長なイントロがあったあと、マイルスのミュートトランペットがよく知られたメロディーを繰り出す。贅肉をそぎ落とした最小限の音数でありながら、緊張と詩情を併せもつ素晴らしいプレイだ。マイルスがモード手法を織り交ぜたソロをひとしきり吹いたところで、キャノンポール・アダレイのサックスに代る。ミュートトランペットのあとに聴くサックスの音はふくよかで暖かく、一気に気分が緩む。のちのコルトレーンとのバトルを繰り広げる名盤「Cannonball Adderley Quintet In Chicago」での彼とは別人のように滑らかで美しい。アルバム全体のコンセプトとマイルスの方向性をよく理解し意識しているのだろう。そのあともバラードからミディアムテンポのリリカルな曲が続く。そしてオリジナルLPには収録されていない<Alison's Uncle>がいい雰囲気だ。ややアップテンポながら決して空騒ぎにならず、程よい熱っぽさと共に洗練されたセンスを感じるチューンだ。この盤、久々に聴いたのだが、やはり名盤と言われるだけのことはあると、納得の一枚だ。


<Autumn Leaves>


<Alison’s Uncle>


<Love For Sale>



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マエストロ・与太

Author:マエストロ・与太
ピークを過ぎた中年サラリーマン。真空管アンプで聴く針音混じりの古いアナログ盤、丁寧に淹れた深煎り珈琲、そして自然の恵みの木を材料に、匠の手で作られたギターの暖かい音。以上『お疲れ様三点セット』で仕事の疲れを癒す今日この頃です。

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