バッハ ミサ曲ロ短調 R・ヤーコブス指揮ベルリン古楽アカデミー他
さて週末。今週も七転八倒・一喜一憂の一週間。生来、胃腸はもっぱら丈夫な方であったが、少し前から空腹時に軽い胃痛を感じるようになった。もう30年以上も勤め人をやっていて、今更仕事のプレッシャでもあるまいとは思うのだが、心身とも老化、耐久期限切れがせまりつつあるのだろうか。万事に耐性が弱くなっているように感じる。
ふ~っ…とタメ息一つ。今週後半はほとんど音盤を聴くことなく過ぎた。今夜少し音楽を充電しようかと、あてもなく音盤の棚を眺めて取り出したのはこの盤だ。


クラシックギターを弾いていたことから、バッハの作品には昔から親しんでいたが、その範囲はバッハの作品の中ではごくひと握りに過ぎない器楽曲ばかりだった。教会付の音楽家としてのキャリアがほとんどだったバッハの作品の多くは、声楽を伴う教会音楽だ。10年程前に激安バッハ全集を手に入れて、あらためてバッハ作品における声楽曲の重要さを知った。
さて、ロ短調ミサ。バッハの教会音楽の中でも傑作の誉れ高い大曲だ。クレンペラー&ニューフィルハーモニア管のコンビによる重厚長大型の名盤も手元にあるが、きょう取り出したのは小編成のベルリン古楽アカデミーによる盤。第1曲;キリエから何とも柔らかく優しい響きが広がる。独シャルプラッテン録音の高音質も手伝って、音はよくブレンドされながらも各パートの分離は明確。低音の伸びもよい。大編成の迫力とはまた異なった次元ではあるが、音の充実感は十分だ。
曲の冒頭、およそ20分ほど続くキリエ「主よ憐れみたまえ」を聴くだけでも、ロ短調ミサを聴く価値があるというのが自論だが、久々に聴いて、やはりこのキリエは素晴らしい。キリエの第1曲では各パートが次々と主題を受け渡しながら盛り上がり、そして静まる。時に大胆な転調も加わり、音楽はどんどん深くなる。キリエの続く第2曲、第3曲も、各パートの動きやオーケストラパートの絡みが明確に歌い分け、弾き分けられる。梅雨入りの雨夜のひととき、バッハのポリフォニックな響きの魅力に吸い込まれていく。
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